ActiveReportsでは、スクリプトを組み込んだレポートを作成でき、このレポートをXMLベースのRPXファイル形式で保存することが可能です。RPXファイルとして保存されたレポートにスクリプトを組み込むことで、リコンパイルせずに後からレポートをロード、実行、またはビューワコントロールに表示することができます。このチュートリアルでは、以下の作業を行います。

Visual StudioプロジェクトにActiveReportを追加する
レポートのレイアウトを作成する
コントロールのデータを取得するためにスクリプトを追加する
隔行で色を変更するスクリプトを追加する
リソースからXMLベースのレポートをロードする

メモ: このチュートリアルは、Northwindデータベース(NWind.mdb)のテーブルを使用しています。使用にはNorthwindデータベース（..ActiveReportsNET11\Data\NWind.mdb）へのアクセス権限が必要です。

チュートリアルを完了すると、次のレポートが作成されます。

デザイン時のレイアウト

実行時のレイアウト

メモ: アプリケーションに適切なライセンスを組み込むには、「アプリケーションのライセンスの組み込み」を参照してください。

Visual StudioプロジェクトにActiveReportを追加する

レポートのレイアウトを作成する

Visual Studioツールボックスで、［ActiveReports 11セクション］ノードを展開します。「TextBox」コントロールをdetailセクション上に3つ追加し、各テキストボックスのプロパティを以下のように設定します。

TextBox1

プロパティ名	プロパティの値
DataField	ProductName
Text	商品名
Location	0, 0in
Size	2.3, 0.2in

TextBox2

プロパティ名	プロパティの値
DataField	QuantityPerUnit
Text	数量
Location	2.4, 0in
Size	1.5, 0.2in

TextBox3

コントロール下の余白をクリックしてDetailセクションを選択します。［プロパティ］ウィンドウからCanShrinkプロパティを「True」に設定して空白のスペースを除去します。

プロパティ名	プロパティの値
DataField	UnitsInStock
Text	在庫
Location	4, 0in
Size	1, 0.2in

コントロールのデータを取得するためにスクリプトを追加する

レポートデザイナの下部にある［スクリプト］タブをクリックし、［スクリプト］エディタを開きます。

［スクリプト］エディタで以下のスクリプトを追加します。

注意: FieldCollectionには、DataInitializeイベントまたはFetchDataイベントを使用してアクセスしてください。他のイベントからアクセスした場合、動作は保障されません。

Visual Basic

Visual Basicスクリプト（［スクリプト］エディタ内に貼り付けます）	コードのコピー
Private Shared m_cnn As System.Data.OleDb.OleDbConnection Public Sub ActiveReport_ReportStart() 'レポートをデータソースに接続します。 Dim connString As String = "Provider=Microsoft.Jet.OLEDB.4.0;Data Source=C:\Program Files\ActiveReportsNET11\Data\Nwind.mdb" Dim sqlString As String = "SELECT * FROM products" m_cnn = new System.Data.OleDb.OleDbConnection(connString) Dim m_Cmd As System.Data.OleDb.OleDbCommand = new System.Data.OleDb.OleDbCommand(sqlString, m_cnn) If m_cnn.State = System.Data.ConnectionState.Closed Then m_cnn.Open End If rpt.DataSource = m_Cmd.ExecuteReader End Sub Public Sub ActiveReport_ReportEnd() 'データリーダーとの接続を閉じる m_cnn.Close End Sub

C#スクリプト（［スクリプト］エディタ内に貼り付けます）	コードのコピー
private static System.Data.OleDb.OleDbConnection m_cnn; public void ActiveReport_ReportStart() { //レポートをデータソースに接続します。 string m_cnnString = @"Provider=Microsoft.Jet.OLEDB.4.0;Data Source=C:\Program Files\ActiveReportsNET11\Data\Nwind.mdb"; string sqlString = "SELECT * FROM products"; m_cnn = new System.Data.OleDb.OleDbConnection(m_cnnString); System.Data.OleDb.OleDbCommand m_Cmd = new System.Data.OleDb.OleDbCommand(sqlString, m_cnn); if(m_cnn.State == System.Data.ConnectionState.Closed) { m_cnn.Open(); } rpt.DataSource = m_Cmd.ExecuteReader(); } public void ActiveReport_ReportEnd() { //データリーダーとの接続を閉じる m_cnn.Close(); }

隔行で色を変更するスクリプトを追加する

レポートデザイナの下部にある［スクリプト］タブをクリックし、［スクリプト］エディタを開きます。

隔行でDetailセクションの色を変更させるために、以下のスクリプトを追加します。

Visual Basic

Visual Basicスクリプト（［スクリプト］エディタ内に貼り付けます）	コードのコピー
Dim b as boolean = true Sub Detail1_Format if b then Me.Detail1.BackColor = Color.AliceBlue b= false else me.Detail1.BackColor = Color.Cyan b = true End If End Sub

C#スクリプト（［スクリプト］エディタ内に貼り付けます）	コードのコピー
bool color = true; public void Detail1_Format() { if(color) { this.Detail1.BackColor = System.Drawing.Color.AliceBlue; color = false; } else { this.Detail1.BackColor = System.Drawing.Color.Cyan; color = true; } }

リソースからXMLベースのレポートをロードする

デザイン時にレポートを表示するには、プレビュータブをクリックするか、レポートをViewerコントロールで開きます。

Visual StudioのツールボックスからActiveReports ViewerコントロールをWindows フォーム上にドラッグし、Dockプロパティを「Fill」に設定します。

Windows フォームのタイトルバーをダブルクリックし、Form_Loadイベントのイベント処理メソッドを作成します。以下のコードを追加し、RPXファイルをビューワでロードします。

Visual Basic