XCOPYは、ファイルをフォルダ構造ごとコピーするDOSのコマンドです。しかし、ここでは、単純にファイルをコピーするだけの配布方法を総称して「XCOPYによる配布」と呼んでいます。
XCOPYによる配布の長所と短所
XCOPYによる配布は、他のどの方法よりも単純で簡単です。しかし、その一方で、配布先に.NET Frameworkが存在しているかどうか、また、存在している場合でもそのバージョンが適切かどうかなどを調べることができません。さらに、必要なファイルを誤って上書きしたときの復旧手段が用意されていません。
これらを考慮すると、XCOPYによる配布は、次のような条件が満たされているときに適した方法だと言えます。
- 配布先の環境について、確実で十分な情報があらかじめ用意されている。
- 配布の操作を行う人が、安全にファイルをコピーできる知識と経験を持っている。
- グローバルアセンブリキャッシュやレジストリなどへの登録を必要としない。
- 配布先のマシン台数と予想される更新の頻度が、それほど多くない。
メモ: GACにランタイムファイルがインストールされている場合や後からGACへランタイムファイルがインストールされた場合、ローカルにランタイムファイルをコピーしてもアプリケーションはGACにインストールされたアセンブリを優先して参照します。
アプリケーションの配布
XCOPYによる配布では、ActiveReports for .NETの製品インストールフォルダ内のBinフォルダにある再配布可能なファイルをアプリケーションと同じフォルダ(サテライトアセンブリは、アプリケーションと同じフォルダのJaフォルダ)にコピーします。これだけで配布が完了します。再配布可能なファイルの一覧は、ランタイムファイルの配布についてを参照してください。
実際のコピー操作としては、たとえば次のような方法が考えられます。
- Windowsエクスプローラーを使ってネットワーク上の対象マシンにコピーする。
- XCOPYコマンドを使った*.batプログラムを実行し、ネットワーク上の対象マシンにコピーする。
- 配布するファイルを収めたCD-Rなどを対象マシンに入れ、Windowsエクスプローラーを使ってコピーする。
- XCOPYコマンドを使った*.batプログラムと配布するファイルを収めたCD-Rなどを対象マシンに入れ、*.batプログラムを実行してコピーする。
- 配布するファイルをアーカイブ ファイル(zip、lzh など)に圧縮し、配布先でフォルダ構造ごと展開する。
- インストーラ作成アプリケーションでインストーラを作成し、配布先にコピーする。