レポートにパラメータを設定することで、その値に応じて実行時に表示するデータをフィルタリングしたり、表示するデータそのものとして使用したりすることができます。パラメータは事前に既定値を設定するか、ユーザーに値を入力させて取得することができます。
このチュートリアルでは、Webデザイナでパラメータ付きレポートを作成する手順を紹介します。
メモ: このチュートリアルでは、「SalesForRegionAndDistrict」データセットを使用します。
このチュートリアルを完了すると、次のようなレポートが作成されます。
Webデザイナにアクセスする
[ユーザーフォルダ]\WebSamples\WebDesigner_MVCに格納されたWebDesigner_MVCサンプルを実行します。
Webデザイナがブラウザで開かれ、レポートのデザインが可能になります。
以下の説明では、デザイナのプロパティモードにて、[詳細プロパティを表示]を選択した状態の画面イメージにて、説明します。
レポートレイアウトを作成する
データを表示するために、Tableデータ領域を使用します。レポートコントロールの一覧から、Tableデータ領域をデザイナ面上にドラッグ&ドロップします。
Tableデータ領域にデータをバインドする
- 追加したデータセットのフィールドを表示するために、[データ]タブの[SalesForRegionAndDistrict]データセットの隣に表示されるドロップダウンをクリックし、フィールドのリストを表示します。
- テーブルの詳細行にデータを設定するために、[データ]タブの、フィールドのリストから、詳細行の各列にフィールドをドラッグ&ドロップしていきます。
ここでは、1列目に[SaleDate]フィールド、2列目に[Quantity]フィールド、3列目に[Profit]フィールドをドラッグ&ドロップします。
画像のとおり、各詳細のラベルが自動でヘッダ行に追加されます。
- ラベルが追加されたヘッダ行の各セルを選択し、3つのラベルをそれぞれ「発売日」、「数量」、「利益」に変更します。
- 価格を通貨記号付きで表示するために、「=[Profit]」を含んだセルを選択し、[プロパティ]タブの、[テキスト]セクションの[表示形式]プロパティを「通貨(桁数: 0)」に設定します。
- フッタ行を削除するために、行ハンドルを右クリックし、表示されるコンテキストメニューから[フッタの削除]を選択します。これにより、フッタ行が削除され、テーブルは2行×3列になります。
レポートにパラメータを追加する
レポートにパラメータを2つ追加します。このパラメータは、データソースから取得されるデータのフィルタの役割を果たします。1つは[Region]フィールドのフィルタとして利用し、もう1つは[StoreID]フィールドのフィルタとして利用します。
-
[Region]フィールドのデータをフィルタリングするパラメータを追加するために、次の手順を行います。
- [データ]タブをクリックします。
- [パラメータ]の隣にある[+ 追加]をクリックします。[レポートパラメータ1]というパラメータが追加されます。
- [レポートパラメータ1]をクリックして、[パラメータの編集]を表示します。
- 次の画像のとおり、3つのプロパティを設定します。
-
[使用できる値]セクションの[クエリから値を取得]タブをクリックし、プロパティを次のように設定します。
プロパティ名 |
プロパティの値 |
データセットの名前 |
SalesForRegionAndDistrict |
値フィールド |
Region |
ラベルフィールド |
Region |
以上の設定の結果、画像のようになります。
[StoreID]フィールドのデータをフィルタリングするパラメータを追加するために、次の手順を行います。
- [← パラメータの編集]をクリックして[データ]タブに戻ります。
- [パラメータ]の隣にある[+ 追加]をクリックします。[レポートパラメータ2]というパラメータが追加されます。
- [レポートパラメータ2]をクリックして、[パラメータの編集]を表示します。
- 次の画像のとおり、3つのプロパティを設定します。
-
[使用できる値]セクションの[クエリから値を取得]タブをクリックし、プロパティを次のように設定します。
プロパティ名 |
プロパティの値 |
データセットの名前 |
SalesForRegionAndDistrict |
値フィールド |
StoreID |
ラベルフィールド |
StoreID |
以上の設定の結果、画像のようになります。
これで、[パラメータ]セクションは次のように表示されます。
レポートのデータを管理する
レポートに描画されるデータの量を制御するために、Tableデータ領域にフィルタを追加することができます。ここでは、2つのフィルタを追加します。
-
ユーザーがパラメータ(Parameter1)に入力した値にしたがってデータを描画するフィルタを追加するために、次の手順を行います。
- テーブルを選択し、[プロパティ]タブをクリックします。
- [データ]セクションの[フィルタ]プロパティで、[項目の表示]をクリックし、[+ 項目の追加]をクリックします。
- 表示される[[A]=[B]]の隣にあるをクリックして、[フィルタのプロパティ]を表示します。
- [式]プロパティの隣にあるボタンをクリックして、フィールドのリストを表示し、「Region」を選択します。
- [演算子]プロパティの隣にあるドロップダウンを開き、「Equal」(デフォルト)を選択します。
-
[値]プロパティに「=Parameters!Parameter1.Value」の式を入力します。
以上の設定の結果、画像のようになります。
パラメータ(Parameter2)にしたがってデータを制限するフィルタを追加するために、次の手順を行います。
- [← フィルタのプロパティ]をクリックして[プロパティ]タブへ戻ります。[データ]セクションの[フィルタ]プロパティの横にある[項目の表示]をクリックし、[+ 項目の追加]を選択します。
- 新たに表示された[[A]=[B]]の隣にあるをクリックして、[フィルタのプロパティ]を表示します。
- [式]プロパティの隣にあるボタンをクリックして、フィールドのリストを表示し、「StoreID」を選択します。
- [演算子]プロパティの横にあるドロップダウンを開き、「Equal」(デフォルト)を選択します。
-
[値]プロパティに「=Parameters!Parameter2.Value」の式を入力します。
以上の設定の結果、画像のようになります。
これで、[← フィルタのプロパティ]をクリックして[プロパティ]タブに戻ると、[フィルタ]プロパティには次のように表示されています。
パラメータ付きレポートの外観をカスタマイズする
メモ: 必要に応じて、レポートに配置する各コントロールのサイズや位置を調整してください。
- テーブルに背景色を設定するために、デザイナ面上のTableデータ領域を選択します。
- [背景]セクションで、[背景色]プロパティの隣にあるドロップダウンを開き、[その他の色]を選択して、[WEBカラー]から「LightYellow」を選択します。
- テーブルのヘッダ行をカスタマイズするために、ヘッダ行のすべてのセルを選択し、プロパティを次のように設定します。
プロパティ名 |
プロパティの値 |
テキスト - 太さ |
Bold
|
テキスト - 水平方向の整列 |
Center
|
- テーブルの詳細行をカスタマイズするために、詳細行のすべてのセルを選択し、[テキスト]セクションの[水平方向の整列]プロパティを「Center」に設定します。
- 罫線を追加するために、テーブルのすべてのセルを選択し、[罫線]セクションの[スタイル]プロパティを「Solid」に設定します。
レポートを表示/保存する
-
[プレビュー]をクリックして、レポートの出力結果を表示します。Parameter1(Region)とParameter2(StoreID)を選択するように求められますので、それぞれドロップダウンから値を選択し、[レポートのプレビュー]をクリックします。
メモ: [パラメータ]プロパティにリストされている値は、デフォルトでは並べ替えが設定されていません。設定するには、並べ替えを設定したデータセットが必要になります。
- プレビューモードを終了するには、デザイナの左上にある[戻る]をクリックします。
- [名前を付けて保存]をクリックして、レポートの名前を任意のものに変更し、[レポートの保存]をクリックします。