ComponentOne 利用ガイド
ClickOnce による配布
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ClickOnce(クリックワンス)は、ユーザーとの最小限の対話によってインストールして実行できる、自己更新型の Windows ベースのアプリケーションの作成を可能にする配置テクノロジです。ここでは、ClickOnce を使用したアプリケーションの配布について、発行、配置、実行、更新、削除の一連のプロセスを説明します。ClickOnce の詳細については、Visual Studio のドキュメントまたは Microsoft Learn、市販の雑誌・解説書を参照してください。

 .NET Windows アプリケーションの発行

ClickOnce で .NET6 をターゲットとした Windows デスクトップアプリケーションを IIS(インターネットインフォメーションサービス)に設置するには、次の手順でプロジェクトを発行します。ここでは、FlexChart for WinForms に付属の「FlexChart101」サンプル(.NET6 版)を使用した例を示します。

  1. Visual Studio を起動し、「FlexChart101」プロジェクトを開きます。

  2. ソリューションエクスプローラのツリー上でプロジェクトのノードを右クリックし、コンテキストメニューの[発行]を選択します。

    発行プロファイルがまだ作成されていない場合は、発行ウィザードが起動します。発行プロファイルが作成済みの場合は、手順3~手順8をスキップできます。

  3. 「ターゲット」画面にて、「ClickOnce」を選択し、[次へ]ボタンをクリックします。

  4. 「発行場所」画面にて、インストーラの保存先となるフォルダを指定し、[次へ]ボタンをクリックします。既定では、プロジェクトの bin フォルダ内に publish フォルダが作成され、そこに出力されます。

  5. 「インストール場所」画面にて、発行したアプリケーションの公開先となる Url を指定し、[次へ]ボタンをクリックします。ここでは、例としてローカル IIS 上の「http://localhost/FlexChart101/」を公開先とみなしています。

  6. 「設定」画面にて、発行するアプリケーションのバージョンやアプリケーションに関する各種設定を行い、[次へ]ボタンをクリックします。

    • 「アプリケーションファイル」では、アプリケーションの構成ファイルとして含めるファイルを管理します。ComponentOne コンポーネントのすべてのアセンブリに対する「発行の状況」が「含める」となっていることを確認してください。

      この操作は、実行環境において、ComponentOne コンポーネントのアセンブリをアプリケーションと同じフォルダに配置させるために必要です。
    • 「必須コンポーネント」では、アプリケーションの実行に必要な各種ランタイムを選択します。配布先に必須コンポーネントがない場合のインストール方法などを指定します。

    • 「発行オプション」では、発行者に関する情報や各種オプションを指定します。

  7. 「マニフェストの署名」画面にて、ClickOnce マニフェストへの署名を行うかどうか、署名する場合は使用する証明書などを指定し、[次へ]ボタンをクリックします。

  8. 「構成」画面にて、アプリケーションの構成を確認したら、[完了]ボタンをクリックします。

    ここまでの設定内容に問題がなければ、発行プロファイルが作成されます。

  9. 「公開」画面にて、使用する発行プロファイルを選択し、[発行]ボタンをクリックします。

    これにより、指定されている保存先にインストーラが出力されます。

 .NET Framework デスクトップアプリケーションの発行

ClickOnce で .NET Framework をターゲットとした Windows デスクトップアプリケーションを IIS(インターネットインフォメーションサービス)に設置するには、次の手順でプロジェクトを発行します。ここでは、FlexGrid for WPF に付属の「FlexGrid101」サンプル(.NET Framework 4.6.2 版)を使用した例を示します。

  • 以下の手順は、プロジェクトファイルが従来の XML 形式で作成されている(プロジェクトファイルの先頭にある <Project> タグに「Sdk="Microsoft.NET.Sdk"」が含まれていない)場合にのみ実行可能です。
  • プロジェクトファイルが SDK スタイルで作成されている(プロジェクトファイルの先頭にある <Project> タグに「Sdk="Microsoft.NET.Sdk"」が含まれている).NET Framework プロジェクトの場合、ClickOnce をターゲットとした発行を行うことはできません。
  1. Visual Studio を起動し、「FlexGrid101」プロジェクトを開きます。

  2. ソリューションエクスプローラのツリー上でプロジェクトのノードを右クリックし、コンテキストメニューの[プロパティ]を選択します。プロパティ画面が開いたら、[公開]ページを開きます。

  3. [公開フォルダーの場所]欄に、生成したインストーラの出力先となるフォルダを指定します。

  4. [インストールフォルダの URL]欄に、発行したアプリケーションの公開先となる Url を記述します。ここでは、例としてローカル IIS 上の「http://localhost/FlexGrid101/」を公開先とみなしています。

  5. [インストールモードと設定]欄では、オフラインでもアプリケーションを利用できるようにするかどうかと、以下の各種オプションを設定できます。

    • 「アプリケーションファイル」では、アプリケーションの構成ファイルとして含めるファイルを管理します。ComponentOne コンポーネントのすべてのアセンブリに対する「公開の状況」が「含む」となっていることを確認してください。

      この操作は、実行環境において、ComponentOne コンポーネントのアセンブリをアプリケーションと同じフォルダに配置させるために必要です。
    • 「必須コンポーネント」では、アプリケーションの実行に必要な各種ランタイムを選択します。配布先に必須コンポーネントがない場合のインストール方法などを指定します。

    • 「更新」では、アプリケーションの自動更新に関する設定を行います。

    • 「オプション」では、発行者に関する情報や各種オプションを指定します。「説明」ページでは、アプリケーションの説明などを記述します。

      「配置」ページでは、配置用の Web ページを作成するかどうかを指定できます。既定の Web ページを作成する場合は、「配置 Web ページ」欄に html ファイル名を入力し、「公開後に毎回配置 Web ページを自動的に生成する」のチェックを ON にします。

      その他、必要に応じて「マニフェスト」「ファイルの関連付け」の各ページにてオプションを設定します。

  6. 最後に、公開するバージョンを指定して、[今すぐ発行]ボタンをクリックします。

    発行フォルダの場所へアプリケーションが発行されます(ここでは、既定の設定であるプロジェクトフォルダ内の publish フォルダ)。発行フォルダには次のようなファイルがコピーされます。

 アプリケーションの配置

発行フォルダ内のすべてのファイルおよびフォルダを、公開先となる Web サイトにアップロードします。

アプリケーションを発行した URL(この例では http://localhost/flexgrid101/index.html)をブラウザで開くと、次のような画面が表示されます。この画面の表示内容は、プロジェクトのプロパティで変更できます。

[インストール]ボタンをクリックすると、インストーラ本体である setup.exe のダウンロードが開始されます。ダウンロード後にインストーラを起動すると、アプリケーションの発行元を確認するダイアログが表示されます。

既定では ClickOnce アプリケーションマニフェストおよび配置マニフェストに対して署名が行われていないため、公開元が確認できません。ClickOnce アプリケーションがコードサイニング証明書などを使用して署名されていれば、これらの情報が表示されるようになります。

[インストール]ボタンをクリックすると、アプリケーションがクライアントPCにインストールされます。インストールが完了すると、アプリケーションが起動します。

 アプリケーションの実行

配置したアプリケーションは Windows のスタートメニューから実行できます。ClickOnce でスタートメニューに登録するかどうかは、プロジェクトのプロパティで設定します。

 アプリケーションの更新

配置したアプリケーションを更新するには、アプリケーションを発行した URL にアクセスし、[インストール]ボタンをクリックします。Web サーバーに新しいバージョンが設置されている場合、自動的に新しいバージョンがインストールされます。

アプリケーションを更新した後に以前のバージョンに戻すには、OS の設定画面にて [アプリ]-[インストールされているアプリ] を開き、配置したアプリケーションを選択して [アンインストール] ボタンをクリックします。「アプリケーションを以前の状態に復元します」を選択し、[OK]ボタンをクリックすると、アプリケーションが以前のバージョンに復元されます。

 アプリケーションの削除

配置したアプリケーションを削除するには、OS の設定画面にて [アプリ]-[インストールされているアプリ] を開き、配置したアプリケーションを選択して [アンインストール] ボタンをクリックします。「このコンピュータからアプリケーションを削除します。」を選択し、[OK]ボタンをクリックすると、クライアント PC からアプリケーションを削除できます。

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