XCOPY は、ファイルをフォルダ構造ごとコピーする DOS のコマンドです。しかし、ここでは、単純にファイルをコピーするだけの配布方法を総称して「XCOPY による配布」と呼んでいます。
XCOPY による配布の長所と短所
XCOPY による配布は、他のどの方法よりも単純で簡便です。しかし、その一方で、配布先に .NET Framework や .NET6 などのランタイムが存在しているかどうか、また、存在している場合でもそのバージョンが適切かどうかなどを調べることができません。さらに、必要なファイルを誤って上書きしたときの復旧手段が用意されていません。
これらを考慮すると、XCOPY による配布は、次のような条件が満たされているときに適した方法だと言えます。
- 配布先の環境について、確実で十分な情報があらかじめ用意されている。
- 配布の操作を行う人が、安全にファイルをコピーできる知識と経験を持っている。
- グローバルアセンブリキャッシュやレジストリなどへの登録を必要としない。
- 配布先のマシン台数と予想される更新の頻度が、それほど多くない。
アプリケーションの配布
XCOPY による配布では、本製品のランタイムファイルファイルを、アプリケーションと同じフォルダ(サテライトアセンブリは、アプリケーションと同じフォルダの ja フォルダ)にコピーします。これだけで配布が完了します。再配布可能なファイルの一覧は、「コンポーネントのランタイムファイル」を参照してください。
実際のコピー操作としては、たとえば次のような方法が考えられます。
- Windows エクスプローラーを使ってネットワーク上の対象マシンにコピーする。
- XCOPY コマンドを使った *.bat プログラムを実行し、ネットワーク上の対象マシンにコピーする。
- 配布するファイルを収めた CD-R などを対象マシンに入れ、Windows エクスプローラーを使ってコピーする。
- XCOPY コマンドを使った *.bat プログラムと配布するファイルを収めた CD-R などを対象マシンに入れ、*.bat プログラムを実行してコピーする。
- 配布するファイルをアーカイブ ファイル(zip、lzh など)に圧縮し、配布先でフォルダ構造ごと展開する。
- インストーラ作成アプリケーションでインストーラを作成し、配布先にコピーする。
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