PDF for UWP は、セキュリティ、圧縮、アウトライン、ハイパーリンク、添付など、PDF の仕様に含まれる高度な機能のほとんどをサポートしています。
以下に、PDF for UWP の便利な機能をいくつか示します。
C1PdfDocument クラスは簡単に使用できます。ドキュメントにコンテンツを追加するためのコマンドは、WinForms Graphics クラスのコマンドに類似しています。WinForms でテキストとグラフィックを表示する方法を習得している場合は、UWP の C1PdfDocument の使用方法も既に理解できています。テキスト、画像、線、四角形、楕円、扇形、円弧、角丸長方形、多角形、ベジェ曲線などを追加できます。
UWP UI を、選択可能なテキストや画像を含めて、「そのまま」直接 PDF にエクスポートできます。これは実験段階の機能で、ビジュアルツリー内の最も一般的な UI 要素を処理します。あるいは、ビットマップを使用して UI を PDF に簡単にエクスポートすることもできます。C1PdfDocument にルートビジュアル要素を指示するだけです。
画像を PDF ドキュメントに簡単に追加できます。すべての作業が DrawImageメソッドによって実行されます。DrawImage は、指定された画像を指定された位置に描画し、パラメータで画像の配置とスケーリングを制御できます。メタファイルを含む通常の .NET Image オブジェクトもレンダリングできます。
PDF は複数レベルの圧縮が可能で、高品質、ファイルサイズ最小などのオプションが提供されています。メタファイルは、解析されてベクターグラフィックコマンドに変換されるため、最適な解像度が維持されます。チャートや技術的な図面を PDF ドキュメントに追加する場合は、ビットマップではなくメタファイルの方が適しています。PDF ファイルへの添付ファイルの追加
添付ファイルには、任意の種類のファイル(メインドキュメントに含めると見づらくなるような詳細情報を含むスプレッドシート、ムービーやサウンドのマルチメディアファイル、サンプルコードなど)を格納できます。添付ファイルは簡単に PDF ファイルに追加できます。添付ファイル、添付ファイルが含まれるページ領域、および添付ファイルの外観(オプション)を指定するだけです。
PDF ドキュメントに機密情報が含まれている場合は、それらのドキュメントを暗号化して、許可されたユーザーのみがアクセスできるようにします。ドキュメントの所有者と他のすべてのユーザーに、それぞれ別のパスワードが用意されます。ユーザーのアクセス権は、特定の操作(ドキュメントの表示、印刷、または編集)のみを許可するように選択的に制限できます。
通常、長い PDF ドキュメントには、リーダーの左ペインに表示されるアウトライン構造が含まれます。アウトラインがあると、ドキュメントの構造の参照や特定のトピックの検索が簡単になります。PDF for UWP の場合は、アウトラインエントリ(ブックマーク)を追加することで、このアウトライン構造を構築できます。
PDF には、ハイパーリンクとハイパーリンクターゲットを PDF ドキュメントに追加するためのメソッドが用意されています。ローカルリンクも追加できます。ローカルリンクをクリックすると、ユーザーは同じ PDF ドキュメント内の別の場所に移動されます。このタイプのリンクは、目次やインデックスのようなドキュメント内の相互参照を実装する場合に役立ちます。
PDF では、作成する PDF ドキュメントにメタデータを追加できます。作成者、作成日付、キーワードなどを指定します。ドキュメントを Adobe Reader で開いたときに適用されるデフォルトのビューアオプションも提供できます。リーダーツールバーやメニュー表示のほかに、初期ページレイアウトやウィンドウ位置も指定します。
PDF は、Acrobat Reader の組み込みフォント(Times、Helvetica、Symbol)に加えて、埋め込みおよび非埋め込み TrueType フォントをサポートします。
PDF/A は、通常、請求書、パンフレット、マニュアル、研究報告書などを作成するユーザーが、レポートを PDF/A 形式で保存するために使用します。また、JPEG2000 画像のエクスポート、電子署名の提供、および埋め込みフォントのサポートを可能にします。