FinancialChart には、金融データの視覚化要件に対応する 15 のチャートタイプがあります。ChartType プロパティを設定して、FinancialChart コントロールのチャートタイプを設定できます。このプロパティは、FinancialChartType 列挙に含まれる値を受け取ります。
次の表に、FinancialChart のすべてのチャートタイプを示します。
面グラフ | アームズローソクボリュームチャート | ローソク足チャート | ローソクボリュームチャート |
縦棒グラフ | カラムボリュームチャート | エクイボリュームチャート | 平均足チャート |
HighLowOpenClose チャート | カギ足チャート | 折れ線グラフ | 新値足チャート |
折れ線グラフ(シンボル付き) | 練行足チャート | 散布図 | ポイントアンドフィギュアチャート |
次のコードスニペットでは、ChartTypeプロパティを設定しています。
面グラフは、同じ系列のデータポイントどうしを線で結び、この線の下の領域を塗りつぶして量を示します。新しい系列は、それぞれ前の系列の上に表示されます。系列は、個別に描画することも、積層にして描画することもできます。これらのグラフは、関連する属性間の長期にわたるトレンドを示す場合によく使用されます。
アームズローソクボリュームチャートは、エクイボリュームおよびローソクボリュームチャートタイプの組み合わせとして、Richard Arms によって作成されました。このチャートタイプのデータは、FinancialChart または FinancialSeries 連結プロパティを使用して、「highProperty, lowProperty, openProperty, closeProperty, volumeProperty」形式のカンマ区切り値で定義できます。このチャートタイプは、FinancialChart レベルでのみ使用できます。FinancialSeries オブジェクトに適用することはできません。現在は、1 つの FinancialChart に 1 セットのボリュームデータだけがサポートされています。
ローソク足チャートは、Hi-Lo-Open-Close チャートの特殊なタイプで、株価の始値、終値、高値、低値を示します。ローソク足チャートは、横棒グラフと折れ線グラフを合わせたような形式で経時的な値の範囲を表します。ローソクと呼ばれるビジュアル要素で構成され、ローソクは胴体、上ヒゲ、下ヒゲの 3 つの要素から成ります。
ヒゲ線のサイズは高値と安値で決定され、棒のサイズは、始値と終値で決定されます。棒は、終値が始値より高いか低いかに基づいて異なる色で表示されます。このチャートタイプのデータは、FinancialChart または FinancialSeries 連結プロパティを使用して、「highProperty, lowProperty, openProperty, closeProperty」形式のカンマ区切り値で定義できます。
ローソク足では、系列内のデータポイントごとに 5 つの値があります。
ローソクボリュームチャートは、各棒の幅が Volume 値で決まること以外は、標準のローソク足チャートと同じです。このチャートタイプのデータは、FinancialChart または FinancialSeries 連結プロパティを使用して、「highProperty, lowProperty, openProperty, closeProperty, volumeProperty」形式のカンマ区切り値で定義できます。
縦棒グラフは、各系列を棒の形式で表し、さまざまなカテゴリの項目の値を比較できます。1 つ以上の項目の値を縦棒として Y 軸に表示し、項目やカテゴリを X 軸に配置します。
カラムボリュームチャートは、各棒の幅が Volume 値で決まること以外は、標準の縦棒グラフと同じです。このチャートタイプのデータは、FinancialChart または FinancialSeries 連結プロパティを使用して、「yProperty, volumeProperty」形式のカンマ区切り値で定義できます。
EquiVolume チャートはローソク足チャートに似ていますが、これらのチャートではローソク足がさまざまな幅の四角形のボックス(上ヒゲなし)に置き換えられます。EquiVolume ボックスには、高値および安値の成分と、3 つ目の次元として各ボックスの幅を決定する Volume が含まれます。色は、終値の数字が直前のボックスの終値よりも上か下かを表します。
平均足チャートは日本のローソク足チャートのバリエーションで、ローソク足チャートからノイズを取り除き、移動平均によく似た動作をするように設計されています。このチャートを使用すると、トレンド、潜在的反転ポイントなどのテクニカル分析パターンを見極めることができます。
HighLowOpenClose チャートは 4 つの独立した値を組み合わせて、高値、安値、始値、終値のデータ値を系列内のデータポイントごとに提供します。ローソク足チャートと同じ情報を表示しますが、始値が左向きの線で、終値が右向きの線で表されます。
カギ足チャートは、一連の垂直線を連結して、需要と供給のトレンドを示します。線の太さと方向は、株価の動きによって決まります。終値が直前の終値と同じ方向に進む場合は、そのカギ足ラインが延長されます。しかし、終値があらかじめ設定した反転幅以上に反転した場合は、次の列に、新しいカギ足ラインが反対方向に引かれます。細い線は、価格が直前の底値を下回ったこと(売り)を、太い線は、価格が直前の高値を上回ったこと(買い)を示します。
折れ線グラフは、系列内の異なるデータポイントを直線で接続することで、一定期間の傾向を表示します。入力を X 軸に沿って等間隔に並ぶカテゴリ情報として取り扱います。
新値足チャートは、垂直のボックスまたはラインを使用して、資産や市場の価格変動を示します。値動きは、ボックスの色とスタイルで表されます。直前のボックスのトレンドが続く値動きは同じ色で表され、反対方向のトレンドを示す値動きは異なる色/スタイルで示されます。反対方向のトレンドは、値が直前 n 個のボックスまたはラインの最大/最小値を超えた場合にのみ描画されます。この個数は、newLineBreaks オプションで決定されます。
折れ線シンボルグラフは、折れ線グラフと散布図グラフを組み合わせたグラフです。等間隔に並ぶデータの傾向を表示し、同じイベントに関連付けられた 2 つの変数の関係を視覚化します。シンボルを使用してデータポイントをプロットし、データポイント間を直線で接続します。
練行足チャートは時間を無視し、指定された金額に一致する価格の変化に注目します。一様なサイズのブロックを使用して株価の動きを示します。価格が、新しいブロックの描画に必要なあらかじめ設定された boxSize オプションより大きい値または小さい値に変化すると、次の列に新しいブロックが描画されます。ボックスの色と方向の変化は、トレンドの反転を示します。
散布図グラフは別名 XY グラフと呼ばれ、複数のデータ系列の項目間の関係を表します。簡単に言えば、X 値と Y 値を 2 つの軸にプロットしたものです。データポイントは接続されず、異なるシンボルを使用してカスタマイズできます。通常、このチャートタイプは科学的データを表現するために使用され、予測データや結果データに含まれる集中データのばらつきを強調できます。
ポイントアンドフィギュアチャートは、積み重ねた X または O を列にして並べて株価のトレンドを明示します。時間ベースのチャートとは異なり、このチャートは、時間を考慮せずに株価の変動だけに注目します。X が株価の上昇を表し、O が株価の下落を表します。
ボックスサイズを指定できます。ボックスサイズは、1 つの X と O がそれぞれ表す額です。ボックスサイズの額だけ株価が上昇すると、X が記録されます。さらに上昇すると、その上にもう 1 つ X が積み重ねて記録されます。一方、逆の傾向を示すと、ボックスサイズの額だけ株価が下落したところで、次の列に O が記録されます。すべての株価の変動を記録しても冗長なだけなので、反転幅を設定して、株価の反転を記録する 1 列内の最小の X または 0 の数を指定できます。指定した反転幅になるまでは、株価の反転が発生しても無視されます。
FinancialChart は、ポイントアンドフィギュアチャートの標準スケーリング、固定スケーリング、動的スケーリングをサポートします。標準スケーリングは、ChartCraft よって事前定義された株価範囲テーブルを使用してボックスのサイズを定義します。固定スケーリングでは、エンドユーザーがボックスサイズを指定でき、動的スケーリングでは、計算された ATR 値をボックスサイズとして使用します。