ランタイムファイルの配布方法には、製品に付属するWindowsインストーラブートストラッパを使用する方法とランタイムファイルを直接コピーする方法の2種類があります。
ブートストラッパを使用してランタイムファイルを配布する(推奨)
ブートストラッパ(bootstrapper)とは、アプリケーションのインストールの前にそのアプリケーションの実行に必要なランタイムファイルをインストールするインストーラの総称です。MultiTouchがインストールされた開発環境には、CalendarGrid専用のランタイムブートストラッパが用意されており、セットアッププロジェクトまたはClickOnceへ簡単に組み込むことが可能です。
インストーラへブートストラッパを組み込む
- セットアッププロジェクトをVisual Studioで開き、[プロジェクト]メニューから[プロパティ]を表示します。
- 〈発行〉タブをクリックします。
- 〈必須コンポーネント〉ボタンをクリックし、必須コンポーネントのリストにある「CalendarGrid for Windows Forms Runtime 2.0.yyyy.mmdd」にチェックを入れます。
- 必須コンポーネントのインストール場所を指定します。「必須コンポーネントをコンポーネントの開発元のWebサイトからダウンロードする」にすると、セットアップ起動時に開発元のWebサイトからランタイムのブートストラッパをダウンロードします。「アプリケーションと同じ場所から必須コンポーネントをダウンロードする」にすると、プロジェクトのビルド時に、ランタイムのブートストラッパがプロジェクト内にコピーされます。
「アプリケーションと同じ場所から必須コンポーネントをダウンロードする」を指定してビルドを行うと、セットアッププログラムにブートストラッパが組み込まれます。アプリケーション配信前にランタイムの事前インストールを行いたい場合には、この方法を利用してランタイムファイルのみを配布するインストーラを作成することができます。
- これでCalendarGridのランタイムブートストラッパの組み込みは完了です。あとは通常の手順に従ってインストーラを作成します。
ClickOnceへブートストラッパを組み込む
- アプリケーションのプロジェクトをVisual Studioで開き、[プロジェクト]メニューから[プロパティ]を表示します。
- 「発行」タブにある〈必須コンポーネント〉ボタンをクリックし、セットアッププロジェクトの場合と同様に、必須コンポーネントのリストにある「CalendarGrid for Windows Forms Runtime 2.0.yyyy.mmdd」にチェックを入れます。
- セットアッププロジェクトの場合と同様に、必須コンポーネントのインストール場所を選択します。
- これでCalendarGridのランタイムブートストラッパの組み込みは完了です。あとは[発行ウィザード]あるいは[今すぐ発行]ボタンをクリックして、通常の手順に従ってアプリケーションを発行します。
ブートストラッパの特長ならびに注意点
ブートストラッパによるランタイムの配布には、次に示す特長があります。
特長
- アプリケーションの動作に必要なファイルを簡単に配布できます。
- 配布ファイルの過不足やバージョンを管理する負担を軽減できます。
- ランタイムファイルが圧縮して格納されているため、配布サイズを削減できます。
- ランタイムファイルをグローバルアセンブリキャッシュ(GAC)へインストールします。
- GACに既に同じバージョンのアセンブリがインストールされている場合、インストールを自動的にスキップします。
- ランタイムファイルを、ユーザーがコントロールパネルからアンインストールすることができます。
制限事項
- .NET Framework 2.0 がインストールされていない環境では、GACに既に同じバージョンのアセンブリがインストールされていても、ランタイムのインストールはスキップされません。ただし、ランタイムのインストールを続行しても製品の動作に問題はありません。
補足
- グローバルアセンブリキャッシュにインストールされるアセンブリはすべてのアプリケーションで共有されるため、特に必要性がない場合はアンインストールする必要はありません。CalendarGridのアップデートにより新しいバージョンのアセンブリをインストールする必要がある場合、新しいバージョンをインストールするためのブートストラッパを追加できます。
- GACへインストールするため、インストーラの実行には管理者権限が必要になります。
|
注意
- ブートストラッパには次のインストール条件が組み込まれていますが、この条件はブートストラッパのmsiファイルを直接実行する場合には適用されないため、直接実行はお勧めしません。
- 管理者権限の有無を事前にチェックし、ユーザーが管理者でない場合にメッセージを表示する。
- 同じバージョンのアセンブリがグローバル アセンブリ キャッシュに既にインストールされている場合はインストールをスキップする。
- 組み込むブートストラッパのバージョンと使用しているランタイム ファイル(本体コンポーネント GrapeCity.Win.CalendarGrid.v20.dll)のバージョンは同じである必要があります。
|
ランタイムファイルを直接コピーする
ブートストラッパを使用せずにランタイムファイルを直接コピーする場合は、以下のフォルダからコピーします。
[%製品インストールフォルダ%]\Bin
CalendarGridの再配布可能なファイルは、「ランタイムファイルの配布について」を参照してください。
GACにランタイムファイルがインストールされている場合や後からGACへランタイム ファイルがインストールされた場合、ローカルにランタイムファイルをコピーしてもアプリケーションはGACにインストールされたアセンブリを優先して参照します。
参照