InputMan for ASP.NET 3.0Jで追加された機能および、InputMan for .NET 2.0J Web Forms Ed.からInputMan for ASP.NET 3.0Jの変更点について解説します。
パフォーマンス向上
ページの読み込みや表示に要する時間が改善されました。多くのコントロールで表示時間を大幅に短縮しています。
計測に使用したマシンスペックは下記のとおりです。
CPU: Intel Pentium4 3.00GHZ、RAM: 3.00GB、OS: Windows Server 2008、ブラウザ: Internet Explorer 7.0
※サーバーとクライアントは同一環境です。
ファンクションキー(FunctionKey)コントロール
[F1]〜[F12]キー、および[Home][End][PageUp][PageDown]キーが押されたとき、またはWebフォーム上に配置しているこれらのボタンがクリックされたときの操作をフックし、独自の機能を割り当てることができます。Windowsやブラウザに予約されているキーの動作を禁止させることも可能です。また、ボタンテキストを変更したり、ボタン上にイメージを表示するなど、自由度の高いコントロールです。
ショートカット(Shortcut)エクステンダ
コントロールやWebフォームにショートカットキー機能を拡張することができます。特定のキーに、定義済みの動作や実装済みのクライアント側スクリプトを割り当てることで、Webアプリケーションにショートカットキー機能を追加できます。
検証アクション(ValidatorAction)エクステンダ
検証コントロールに、検出したエラーの通知機能や不正値の処理機能を拡張します。色やアイコン、バルーンチップ表示によりエンドユーザにエラーを通知することができます。また、不正値が入力された場合に、入力された値を保持するか消去するか、また変更前の値に戻すかどうかといった処理を追加できます。
リッチカレンダー(RichCalendar)コントロール
Silverlightの技術を使用して構築され、透過効果やスパイラルバインディングの表示などデザイン性に優れたカレンダーです。和暦表示や休日設定など、通常のカレンダーコントロールと同等の機能を備えている他、日付シートの同時表示も可能です。
リスト機能の強化
コンボコントロールのドロップダウンリストおよびリストコントロールでは、新しいアーキテクチャが採用され、大幅に強化されました。新しく追加された機能は以下のとおりです。
- カラム数の制限がなくなり、3列以上のマルチカラムをサポート
- 行ごとのフォントやスタイルの設定が可能
- スタイルテンプレートが追加されたことで、高デザインの表を短時間で実現
- ヘッダに画像を表示
- 任意の列に画像を表示
- 画像のサイズ設定が可能
コンボコントロールの機能追加
コンボコントロールでは、上記のリストボックス機能の強化に加え、新たに次の機能が追加されました。
- クライアント側で項目の追加、削除、検索などの操作が可能
- 入力する値によって、リストボックスの項目をフィルタリング
- ドロップダウンリストにヘッダを表示
- ドロップダウンリストに水平方向のスクロールバーを表示
- ドロップダウンリストのサイズの自動設定が可能
書式設定の柔軟化
テキスト、マスク、コンボコントロールのFormatプロパティでは、サロゲートペア文字の入力を制御するキーワードTが追加されました。
また、テキストコントロールでは、2バイト文字のみの入力を許可するキーワードD、スペースの入力を制御するキーワードSも追加され、書式の設定がさらに柔軟化しました。
リアルタイム検証
検証を行うタイミングが、入力完了後のフォーカス移動時か、入力中のリアルタイムか選択できるようになりました。
カレンダーの充実
カレンダーコントロールでは、次の機能が追加され、さらに充実したカレンダーを実現できるようになりました。
- 年-月カレンダー
- 日付領域へ画像の表示が可能
- 週番号や曜日をクリックすると、その週の行およびその曜日の列を選択
- 六曜のサポート
- 振替休日に「翌営業日」を追加
- デザインテンプレートが強化され、デザイン性に優れたカレンダーの作成が容易
イベントの発生条件を改善
1.0Jおよび2.0Jでは、ポストバック時にサーバーコードで変更した値に対して各コントロールでTextChanged、ValueChangedおよびSelectedIndexChangedイベントなど、変更を通知するイベントが発生していました。しかし、ASP.NET標準コントロールでは、TextChanged、ValueChanged、SelectedIndexChangedなどのイベントは、サーバーコードで値を変更した際には発生せず、ユーザの値入力後、ポストバックしたときに発生します。
3.0Jでは、新しく追加されたUseClassicEventBehaviorプロパティを使用することで、イベントの発生条件を、1.0Jおよび2.0Jと同様にするか、標準コントロールと同様にするか選択することが可能になります。
バルーンチップ(BalloonTip)のエクステンダ化
2.0Jでコントロールとして提供されていたバルーンチップが3.0Jではエクステンダとして提供されます。
ふりがな取得
テキストコントロールでは、入力された文字列から自動的にふりがなを取得し、表示する機能が追加されました。
アニメーション表示
テキスト、コンボ、日付、数値コントロールのドロップダウンオブジェクトに、ドロップダウンを開いたときと閉じたときのアニメーション表示がサポートされました。
罫線幅の指定
カレンダーコントロールの各領域の枠線の幅と、リストコントロールの罫線の幅を指定できるようになりました。
文字数検証コントロールのLengthAsByteプロパティ
入力可能な最大文字数をバイト単位と文字単位のどちらかに指定する、LengthAsByteプロパティが文字数検証(TextLengthValidator)コントロールにも追加されました。
DropDownCalendarオブジェクトをクライアント側で取得
日付コントロールのクライアント側スクリプトで、DropDownCalendarオブジェクトが取得できるようになり、ドロップダウンカレンダーのクライアント側でのカスタマイズが可能になりました。