InputMan for ASP.NET 7.0Jで追加された機能および、InputMan for ASP.NET 3.0JからInputMan for ASP.NET 7.0Jの変更点について解説します。
新環境対応
以下の新環境に対応しました。
- Windows 8/8.1/Server 2012/Server 2012 R2
- Visual Studio 2012/2013
- .NET Framework 4.5/4.5.1/4.5.2
- Internet Explorer 10/11
新コントロールの追加
以下の4種のコントロール(エクステンダ)を新たに追加しました。
コントロール |
説明 |
日付コントロール(GcDate) |
日付部分の入力に特化した日付専用入力コントロール |
時刻コントロール(GcTime) |
時刻の入力に特化した時刻専用入力コントロール |
郵便番号コントロール(GcPostal) |
郵便番号から該当の住所情報を出力するコントロール |
住所検索エクステンダ(GcAddress) |
郵便番号や電話番号などのコードから住所情報を提供するエクステンダ |
マルチタッチ機能に対応
すべての入力コントロールでタッチデバイスでの操作が可能になりました。これに伴い、タッチ操作に最適化した以下の機能を追加しました。
- タッチツールバーの提供
タッチ専用のUIであるタッチツールバーを表示する機能を追加しました。
- ドロップダウンウィンドウの拡大表示
ドロップダウン機能を提供するすべてのコントロールで、タッチ操作により表示されるドロップダウンウィンドウを自動的に拡大表示できるようになりました。また、そのときの拡大倍率を設定するTouchDropDownScaleプロパティを各コントロールに追加しました。
- コンテキストメニューの拡大表示
タッチ操作により表示されるコンテキストメニューを自動的に拡大表示できるようになりました。また、そのときの拡大倍率を設定するTouchContextMenuScaleプロパティを各コントロールに追加しました。
- カレンダーのピンチ・ストレッチ操作
カレンダーコントロールおよび日付時刻、日付コントロールのドロップダウンカレンダーにおいて、ピンチ、ストレッチ操作によりカレンダータイプの切り替えができ、また切り替えを許可するかどうかを設定するEnableTouchZoomプロパティを追加しました。
- スピンボタン位置の最適化
スピン機能を提供するすべてのコントロールで、タッチ操作がしやすいようにスピンボタンの配置やボタンサイズなどを最適化できるようになりました。
- クライアント側イベントの強化
タッチに特化した標準でサポートされているクライアント側イベントが、InputMan for ASP.NETの各コントロールでも使用できるようになりました。追加されたイベントの一覧は「標準クライアント側イベント − タッチ関連イベント」を参照してください。
- タッチキーボードによるふりがなの取得
テキストコントロールのふりがな取得機能が、タッチキーボードによる入力に対応しました。
jQueryのサポート
テキスト、日付、時刻コントロールでは、jQuery APIの利用が可能になりました。また、その他の入力コントロールでは、jQueryセレクターやメソッド・チェーンを使用できます。
ASP.NET AJAX ControlToolkitのコンテナ系コントロールへの配置をサポート
ASP.NET AJAX ControlToolkitの以下のコントロールにInputMan for ASP.NETの各コントロールを配置できるようになりました。
- Accordion
- CollapsiblePanel
- DragPanel
- Tabs
- ModalPopup
検証コントロールの強化
各検証コントロールを使用して、弊社製品SPREAD for ASP.NET 7.0Jのセルを検証できるようになりました。
SPREADセルの検証方法については、SPREAD for ASP.NET 7.0Jの製品ヘルプ(「開発者の手引き」>「セル型の設定」>「InputMan検証コントロールの使用」)を参照してください。
検証アクションエクステンダの改善
弊社製品SPREAD for ASP.NET 7.0Jのセルを検証している検証コントロールに対しても通知方法を設定できます。
また、ValueProcessクラスを使用した不正値の制御を改善し、リアルタイム検証と不正値のリストアやクリアを組み合わせることで、フィルタリングのような動作を実現できます。
書式キーワードの追加
テキストコントロール、文字種検証コントロールで使用する書式に、除外文字、文字コードおよびIVS(Ideographic Variation Sequence)文字を指定するキーワードを追加しました。環境依存文字などの除外が書式設定のみで実現できるようになります。
キーワード |
説明 |
^(半角) |
指定した書式に含まれないすべての文字 |
I(全角) |
JIS X 0208文字で構成された文字 |
M(全角) |
Shift JIS文字で構成された文字 |
V(全角) |
IVS(Ideographic Variation Sequence)文字 |
また、マスクおよびコンボコントロールでは、促音・拗音の小書き表記なしのひらがな、カタカナのキーワードを追加しました。
キーワード |
説明 |
\N |
促音・拗音の小書き表記なしの半角カタカナ |
\N |
促音・拗音の小書き表記なしの全角カタカナ |
\G |
促音・拗音の小書き表記なしのひらがな |
範囲外入力時の制御
日付、時刻、あるいは数値で範囲外の値が入力されたとき、その値をどう制御するか設定する、MaxMinBehaviorプロパティを追加しました。
コピー&貼り付け時の改行コードの取り扱い
クリップボードから改行を含む文字列を貼り付けた場合の改行コードの扱いを設定できる、AcceptsCrlfプロパティを入力コントロールに追加しました。
コピー&貼り付け時のクリップボードの使用
クリップボードにアクセスすることを許可するかどうかを設定できる、UseClipboardプロパティを入力コントロールに追加しました。
ファンクションキーの強化
ファンクションキーコントロールに以下の機能を追加しました。
- ファンクションキーボタンの背景色、文字色、テキストをクライアント側で設定できるようになりました。
- ファンクションキーボタンの間隔を設定するButtonPaddingプロパティを追加しました。
- FunctionKeyDownクライアント側イベントのイベントパラメータに、サーバーへのポストバックを許可するかどうかを設定できるCancelプロパティを追加しました。これにより、条件によりクライアント側だけで処理を行うというような動作が可能になりました。
ControlEffectプロパティにWindows 8のスタイルを追加
各コントロールのControlEffectプロパティにWindows 8のスタイルを設定できるようになりました。ControlEffectプロパティが参照するControlEffect列挙体にWindows8Themeメンバが追加されています。
(図)Windows 8スタイル
バルーンチップのカスタマイズ
バルーンチップで以下の外観を設定するプロパティが追加されました。
- 境界線色(BorderColorプロパティ)
- 閉じるボタンに表示する画像(CloseButtonImage、HoveredCloseButtonImage、PressedCloseButtonImageプロパティ)
- アイコン画像(IconImageプロパティ)
- システムアイコンを使用するかどうか(UseSystemIconプロパティ)
(図)外観をカスタマイズしたバルーンチップ
検証アクションエクステンダのTipNotifyを拡張
検証アクションエクステンダのエラー通知で使用されるバルーンチップ(TipNotifyクラス)に背景色と境界線色を設定する以下のプロパティが追加されました。
- 背景色(ToolTipBackColorプロパティ)
- 境界線色(ToolTipBorderColorプロパティ)
バルーンチップの描画改善
Internet Explorer 9以降の環境で、バルーンチップエクステンダおよび検証アクションエクステンダのエラー通知で使用されるバルーンチップの描画を改善しました。角の丸みがスムーズになり、影の描画もクリアになりました。
コンテキストメニューのフォント
コンテキストメニューに使用されているフォントが、自動的にOSのシステムフォントが適用されるようになりました。
※デフォルトのシステムフォントに限ります。システムフォントを変更している場合は反映されません。
コントロール名の変更
InputMan for Windows FormsやInputMan for WPFとコントロール名を合わせ、InputManシリーズとして統一させました。
|
旧バージョンで作成したプロジェクトについては、付属の移行ツールを実行することでコントロール名を移行できます。 |
呼称 |
3.0Jでのコントロール |
7.0Jでのコントロール |
テキストコントロール |
Edit |
GcTextBox |
マスクコントロール |
Mask |
GcMask |
日付コントロール(3.0J) 日付時刻コントロール(7.0J) |
Date |
GcDateTime(※) |
数値コントロール |
Number |
GcNumber |
コンボコントロール |
Combo |
GcComboBox |
リストコントロール |
List |
GcListBox |
カレンダーコントロール |
Calendar |
GcCalendar |
電卓コントロール |
Calculator |
GcCalculator |
ファンクションキーコントロール |
FunctionKey |
GcFunctionKey |
メッセージボックスコントロール |
MessageBox |
GcMessageBox |
文字種検証コントロール |
CharacterTypeValidator |
GcCharacterTypeValidator |
文字数検証コントロール |
TextLengthValidator |
GcTextLengthValidator |
日付範囲検証コントロール |
DateRangeValidator |
GcDateRangeValidator |
日付比較検証コントロール |
DateDifferenceValidator |
GcDateDifferenceValidator |
禁止文字列検証コントロール |
ForbiddenTextValidator |
GcForbiddenTextValidator |
バルーンチップエクステンダ |
BalloonTip |
GcBalloonTip |
ショートカットエクステンダ |
Shortcut |
GcShortcut |
検証アクションエクステンダ |
ValidatorAction |
GcValidatorAction |
(※)日付に特化した日付コントロールはGcDate、時刻に特化した時刻コントロールはGcTimeとなります。
コアサーバーライセンスの導入
7.0Jから、コアサーバーライセンスが導入されました。 InputMan for ASP.NETを使用したアプリケーションを配布するには、配布するWebサーバー1台ごとにプロセッサーのコア数に応じたコアサーバーライセンスが必要になります。 詳細については、リリースノートの「ソフトウェア使用許諾契約書」をご確認ください。
プロパティページの刷新
視覚的な編集を可能にするプロパティページが刷新されました。デザインやメニューを見直し、目的のプロパティを探しやすいようページ構成を再構築しました。
バルーンチップのデフォルトスタイル
バルーンチップエクステンダや検証アクションで表示されるバルーンチップのデフォルトスタイルが、3.0JまでのWindows XPを基調としたスタイルではなく、シンプルなスタイル(薄いグレーの境界線色、白の背景色)に変更されました。
(図)3.0J以前と7.0Jのバルーンチップのデフォルトスタイル
アイコン画像の変更
バルーンチップや検証アクションのTipNotifyクラスで表示されるシステムアイコンの画像が、Windows XPベースからWindows Vista以降のスタイルに変更されました。
アイコンの種類 |
3.0Jまでのアイコン |
7.0Jでのアイコン |
Information |
|
|
Exclamation/Warning |
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Error |
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|
リッチカレンダーの削除
3.0Jで提供されていたリッチカレンダー(RichCalendar)コントロールは、7.0Jには搭載されません。同等機能を搭載するカレンダー(GcCalendar)コントロールに置き換えてご利用いただけます。