MESCIUS InputMan for Windows Forms 12.0J 移行ガイド
移行に関する注意点

ここでは、4.0J 以前のバージョンから 12.0J へ移行する際の注意事項について説明します。

ラッパーコントロールについて

InputMan は、5.0J で大幅な機能変更が行われたことにより、4.0J 以前のコントロールと 12.0J ではインタフェースが異なり互換性は維持されていません。

そこで、4.0J 以前のコントロールを 12.0J で利用できるようにするために、インタフェースを補間するラッパーアセンブリ(GrapeCity.Win.Input.Interop.v120.dll)が提供されています。このラッパーアセンブリは、旧バージョンとの差異を吸収し、4.0J のインタフェースのまま 12.0J 上での実行を可能にするラッパーコントロールを提供します。

移行ツールは、4.0J のコントロールを 12.0J のラッパーコントロールへ変換します。

4.0J で作成されたコントロールは、移行ツールにより名前空間が、GrapeCity.Win.Input から GrapeCity.Win.Input.Interop へ変更されます。各コントロールのクラス名、およびプロパティやメソッドやイベントといった各メンバのインタフェースは旧バージョンのままとなります。移行されたラッパーコントロールのプロパティなどを変更しコントロールの動作を変更することはできますが、新たな機能を追加する場合や大きな修正を行う場合は、12.0J のコントロールに置き換えた上で機能実装することを推奨します。

なお、12.0J のラッパーコントロールでは 4.0J の機能をすべてを補間するわけではありません。一部にはラッパーコントロール上でサポートされない機能や制限事項として動作しないものもあります。これらの機能を使用している場合には注意が必要です。詳しくは「制限事項」を参照してください。

移行作業の注意点
PlusPak に移動したコントロール

以下のコントロールは「PlusPak for Windows Forms」に移動しています。これらを使用している場合には、PlusPak の移行ツールを実行し対象のコントロールを PlusPak に移行してください。PlusPak の移行ツールの実行については以下の点に注意してください。

なお、これらのコントロールを PlusPak に移行するには、PlusPak の開発ライセンスが別途必要です。

4.0J 以前の InputMan PlusPak
バルーンチップコンポーネント BalloonTip GcBalloonTip
カレンダーコントロール Calendar GcCalendar
電卓コントロール Calculator GcCalculator
コンテナコントロール Container GcContainer
ファンクションキーコントロール FunctionKey GcClassicFunctionKey
キーロックコンポーネント KeyLock GcKeyLock

PlusPak への移動履歴については「InputMan のバージョンアップ履歴」を参照してください。

表示される警告の種類

4.0J 以前のバージョンから 12.0J に移行したときに、互換性の問題からエラーや警告が発生することがあります。表示される警告のうち、互換性に関する内容には以下の種類があります。

  1. 「〜は旧形式です。この機能は使用できません。この機能を実現するためには XXX を利用します。」
    上記のメッセージが表示されている機能は、記載の XXX に機能が移行されています。12.0J(もしくはPlusPak for Windows Forms)の XXX を用いて、新しく処理を実装する必要があります。
  2. 「〜は旧形式です。この機能は動作しません。」
    実装方法が変更され、サポートされないプロパティ、メソッドなどに表示されます。以前のバージョンと同様の動作を実現するためには、12.0J のコントロールに置き換えたり、12.0J の実装方法で書き換えるなどの対応が必要です。
  3. 「〜は旧形式です。」
    実装方法が変更され、提供される内容が異なるプロパティに表示されます。このままでも動作しますが、警告を消すためには他のプロパティに置き換えるなどの対応が必要です。

これらの警告が発生した箇所に対しては、「移行後に必要な修正」を参考に、手作業で修正を行ってください。

InputMan の旧バージョンのコントロールを 12.0J 上で動作させるラッパーコントロールは、その内部では 12.0J が動作しています。12.0J のコントロールをラッパーコントロールが 4.0J のインタフェースに変換し、実行する仕組みとなっています。手作業で修正する際に、内部で動作している 12.0J のコントロールに直接アクセスする方法で、同じような動作を実現できる場合があります。内部コントロールには以下のように「InnerEditor」と記述することでアクセスすることが可能です。

Edit1.InnerEditor.…
Mask1.InnerEditor.…
CharMask1.InnerEditor.…
Date1.InnerEditor.…
TimeSpan1.InnerEditor.…
Number1.InnerEditor.…
Combo1.InnerEditor.…
List1.InnerEditor.…

InnerEditor キーワードでアクセスする内部コントロールは 12.0J です。利用できるプロパティは 12.0J のコントロールのプロパティになります。

移行先コントロール一覧

移行ツールにより、4.0J 以前のコントロールは以下のように移行されます。

4.0J 以前のコントロール 12.0J のコントロール
テキスト Edit ラッパーテキスト Interop.Edit
マスク Mask ラッパーマスク Interop.Mask
日付 Date ラッパー日付 Interop.Date
数値 Number ラッパー数値 Interop.Number
コンボ Combo ラッパークラシックコンボ Interop.ClassicComboBox
リスト List ラッパーリスト Interop.List
キャラクタボックス CharMask ラッパーキャラクタボックス Interop.CharMask
タイムスパン TimeSpan ラッパータイムスパン Interop.TimeSpan
郵便番号 Postal ラッパー郵便番号 Interop.Postal
IME Ime ラッパーIME Interop.Ime
日付検証 DateValidator ラッパー日付検証 Interop.DateValidator
数値検証 NumberValidator ラッパー数値検証 Interop.NumberValidator
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