PowerTools InputMan for Windows Forms 8.0J
6.0Jから7.0Jへの変更点

InputMan for Windows Forms 7.0Jで追加された機能および、InputMan for Windows Forms 6.0Jから7.0Jの変更点について解説します。

新機能

新環境対応

以下の新環境に対応しました。

マルチタッチ機能に対応

すべての入力コントロールでタッチデバイスでの操作が可能になりました。これに伴い、タッチ操作に最適化した以下の機能を追加しました。

新コントロール/新コンポーネントを追加

下記6種類の新しいコントロールとコンポーネントを追加しました。

コントロール/コンポーネント 説明
日付コントロール(GcDate) 日付部分の入力に特化した日付専用入力コントロール
時刻コントロール(GcTime) 時刻の入力に特化した時刻専用入力コントロール
郵便番号コントロール(GcPostal) 郵便番号から該当の住所情報を出力するコントロール
住所コントロール(GcAddressBox) 都道府県から市区町村などの候補を絞り込みながら住所を選択および入力するコントロール
日付検証コンポーネント(GcDateValidator) 日付コントロールの入力値の検証とエラー通知機能を行う検証コンポーネント
時刻検証コンポーネント(GcTimeValidator) 時刻コントロールの入力値の検証とエラー通知機能を行う検証コンポーネント

高DPI対応

DPI スケーリングによる拡大について、125%のWindows XP形式のスケーリングをサポートします。OS側のDPI設定が変更されると、製品のコントロールサイズなどを自動調整し、アプリケーションのレイアウトが崩れるのを防ぎます。

書式キーワードの追加

テキスト、マスク、コンボコントロールの書式キーワードに、2バイト文字や文字コードを指定するキーワードを追加しました。環境依存文字などの除外が書式設定のみで実現できるようになります。

書式キーワード 説明
D(全角) 2バイト文字(サロゲート ペア文字を除いた全角文字)
I(全角) JIS X 0208文字で構成された文字
M(全角) Shift JIS文字で構成された文字
V(全角) IVS(Ideographic Variation Sequence)文字

汎用検証コンポーネントの検証アイテムに書式による検証を追加

汎用検証コンポーネントの検証アイテムに、書式キーワードによる検証方法を追加しました。テキストコントロールのFormat プロパティに設定する書式キーワードと同じキーワードで、検証を行うことが可能になりました。

コンボコントロールにオートフィルタの機能を搭載

コンボコントロールのリストボックスに登録されている項目をフィルタリングするオートフィルタの機能を追加しました。フィルタリングするための検索のモードや対象のカラムの指定、フィルタリングで取得する最大の項目数など細やかな設定が可能です。

IMEコンポーネントのふりがな出力機能の強化

IMEコンポーネントのふりがな出力機能にアルファベットからふりがなを出力する機能を追加しました。EnabledAlphabetReadingMapping プロパティをTrue に設定すると入力したアルファベットからふりがなを取得できます。


和暦表示の年号を定義するアプリケーション構成ファイルに新しい書式を採用

日付時刻コントロールや日付コントロールの入力書式/表示書式を和暦にした場合に表示する年号は、アプリケーション構成ファイルにより独自に定義することができますが、旧バージョンの書式には製品名とバージョンを明記する必要があるためバージョンアップの際に移行作業が必要でした。7.0Jではこの書式を見直し、構成ファイルへの設定から製品名とバージョンの記述を削除することで、より簡単な書式で和暦を定義することができるようになりました。

また、この新しい書式は製品名とバージョンに依存しないため、和暦表示に対応している PowerTools 製品で共通して使用することが可能になります。

ラッパーコントロールに、旧バージョンのマスク機能を備えたコンボコントロールを追加

6.0Jで提供していたラッパーのコントロールのうち、マスク機能が削除され移行が難しかったコンボコントロールについて、新しい移行先として旧バージョンのマスク機能を備えたラッパーのクラシックコンボコントロール(Interop.ClassicCombo)が追加提供されます。

  • ラッパーのクラシックコンボコントロールでも、一部の機能でサポートされないものがあります。
  • ラッパーのクラシックコンボコントロールへ移行するには、手作業で修正が必要になる箇所があります。

互換性などの詳しい情報については、旧バージョンからの移行を参照してください。

コンボコントロールのドロップダウンリストの幅を自動調整する機能を追加

コンボコントロールに追加する項目の幅に合わせてドロップダウンリストの幅を自動調整するDropDown.AutoWidth プロパティが追加されました。

変換キーによる再変換機能を追加

コンテキストメニューで提供していた文字の再変換機能に加え、変換キーを使った再変換にも対応しました。

マウスのホイールによる動作の制御

日付、数値やコンボコントロールなどのコントロールにおいて、値の増減をスピン動作で行うときにマウスのホイールでは値を増減させないよう制御するSpinOnWheel プロパティを追加しました。また、ドロップダウンカレンダーの月の移動をマウスホイールで許可するかどうかを設定するNavigateOnWheel プロパティも追加しました。

タブ文字が含まれる文字列のコピー&ペーストの制御

テキスト、マスク、コンボコントロールでクリップボードからタブ文字を含む文字列を貼り付けたときに、タブ文字の扱いを設定できるようになりました。タブ文字を含んだままとする従来の動作の他に、タブ文字以降の文字列を削除する方法、タブ文字のみを全て取り除く方法を提供します。これらはAcceptsTabChar プロパティを設定することで簡単に制御可能です。
変更点

日付時刻コントロール(GcDateTime)と日付時刻検証コンポーネント(GcDateTimeValidator)

7.0Jでは日付部分の入力に特化した日付専用入力コントロールとして、「日付コントロール(GcDate)」を新しく提供します。そのため、6.0Jまでの旧バージョンで提供していた日付コントロール(GcDate)は、「日付時刻コントロール(GcDateTime)」に、日付検証コンポーネント(GcDateValidator)は「日付時刻検証コンポーネント(GcDateTimeValidator)」に名称を変更しました。

住所検索コンポーネントの変更

6.0Jで提供していた住所検索コンポーネントは、株式会社システム・ビットの製品「DB Entry」を利用して実現していましたが、これを「JPAddress for .NET」を利用するように変更しました。

住所検索コンポーネントの他にも、郵便番号コントロール、住所コントロールの機能が「JPAddress for .NET」を利用して実現されています。住所検索機能を利用しているコントロールを利用するためには、「JPAddress for .NET」の開発ライセンスが別途必要です。

Ellipsis プロパティによる省略文字の表示を複数行のテキストにも適用

テキストコントロールではEllipsis プロパティによってText プロパティに割り当てられた文字列がコントロールの幅に収まりきらないときに省略文字を表示しますが、これを複数行に設定したテキストコントロールにも表示されるよう機能を強化しました。複数行表示した場合、省略文字はコントロールに表示されている最終行に表示されます。

RecommendedValue プロパティによる省略文字の表示を複数行のテキストにも適用

テキストコントロールではEllipsis プロパティによってText プロパティに割り当てられた文字列がコントロールの幅に収まりきらないときに省略文字を表示しますが、これを複数行に設定したテキストコントロールにも表示されるよう機能を強化しました。複数行表示した場合、省略文字はコントロールに表示されている最終行に表示されます。



Ellipsis プロパティの詳細はテキストコントロールの基本的な使い方のページを参照してください。

日付時刻コントロールの非表示フィールドに設定可能なデフォルト値を強化

日付時刻コントロールの非表示に設定されたフィールドのデフォルト値には、RecommendedValue プロパティの値が設定されます。6.0Jまではアプリケーション実行時の日付、時刻を設定することができませんでしたが、7.0JからはRecommendedValue プロパティにnull 参照 (Visual Basic では Nothing)を設定することで、アプリケーション実行後に値をクリアした時間を非表示フィールドに設定できるようになりました。

プロパティページの刷新

視覚的な編集を可能にするプロパティページが刷新されました。デザインやメニューを見直し、目的のプロパティを探しやすいようページ構成を再構築しました。

参照

 

 


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