MESCIUS JPAddress for WPF 3.0J
ClickOnce による配布(.NET Framework)

ClickOnce(クリックワンス)は、Visual Studio 2005 以降と .NET Framework 2.0 以降によって提供されるアプリケーション配布機能です。

ここでは、ClickOnce を使用した .NET Framework アプリケーションの配布について、発行、配置、実行、更新、削除の一連のプロセスを説明します。

以下の手順では、外部記録媒体(USB メモリなど)にてインストーラを配布することを想定しています。Web サイトなどほかの場所への配置方法を含む ClickOnce の詳細については、「Web サイトVisual Studio での配置に関するドキュメント」を参照してください、

ClickOnce における2つの配布シナリオ

JPAddress で作成したアプリケーションを ClickOnce で配布する場合、ClickOnce のセットアップに辞書ファイル含めアプリケーションと一緒に配布する方法と、辞書ファイルはセットアップには含めない方法の2つのシナリオが考えられます。

辞書ファイルをアプリケーションと一緒に配布する場合

アプリケーションと同じフォルダに辞書ファイルを配置する場合は、辞書ファイルを ClickOnce のセットアップに含めます。セットアップに辞書ファイルを含める利点は、ClickOnce のセットアップのみでアプリケーションの配布が完了することです。

ただし、ClickOnce アプリケーションは、コンピューターの ClickOnce アプリケーションキャッシュに格納され、これは現在のユーザーの [AppData\Local] 下にあります。そのため複数のアプリケーションや複数のユーザーで辞書ファイルを共有することはできません。

辞書ファイル(*.dat)を Visual Studio のプロジェクトに追加するには、以下の手順に従ってください。

  1. Visual Studio を起動し、ClickOnce で配布するプロジェクトを開きます。

  2. 辞書ファイルをアプリケーションと一緒に配布するには、辞書ファイル(*.dat)を Visual Studio のプロジェクトに追加します。[プロジェクト]メニューから[既存項目の追加]を選択し次の4つのファイルをプロジェクトに追加します。

    • KEN_ALL.dat
    • JIGYOUSHO.dat
    • shigai_list.dat
    • JPAddressDBTimeStamp.dat
  3. ソリューションエクスプローラにて、2.で追加した辞書ファイルをクリックしてプロパティを表示し、ビルドアクションを「コンテンツ」に設定します。

辞書ファイルをアプリケーションと一緒に配布しない場合

配布環境で複数のアプリケーションや複数のユーザーで辞書ファイルを共有する場合は、ClickOnce のセットアップには含めずに ClickOnce のセットアップを作成します。この場合、アプリケーション構成ファイル(App.config)で辞書ファイルのパスを指定する必要がありますが、複数のアプリケーションまたは複数のユーザーで辞書ファイルを共有できます。

次項では、辞書ファイルをアプリケーションと一緒に配布する場合の手順について説明します。

インストーラの作成

ClickOnce インストーラを作成するには、次の手順を実行します。

  1. Visual Studio を起動し、ClickOnce で配布するプロジェクトを開きます。

  2. [プロジェクト]メニューから[%プロジェクト名%のプロパティ]を選択します。次にプロパティ画面内の「公開」タブをクリックします。

  3. 「公開フォルダーの場所」に、インストーラを作成する場所を指定します。既定では、プロジェクトフォルダ内の publish\ フォルダが公開場所となります。

  4. [アプリケーション ファイル]ボタンをクリックし、JPAddress のランタイムファイルの設定を表示します。

    「すべてのファイルを表示」チェックを ON に変更し、すべての JPAddress のランタイムの「公開の状況」を「含む」に変更します。

    • 辞書ファイルを ClickOnce のセットアップに含めない場合は、辞書ファイルに対する「公開の状況」の設定は不要です。
    • アプリケーションのインストールとは別に辞書ファイルを運用環境に配布する場合は辞書ファイルに関する設定は不要です。
    • 辞書ファイルを「データファイル」のままで発行した場合、インストール先の ClickOnce キャッシュ領域におけるファイルのディレクトリ構成が異なるため、アプリケーションが辞書ファイルを見つけることができなくなります。

    確認および変更が完了したら、[アプリケーションファイル] ダイアログを閉じます。

    また、必要に応じて、[必須コンポーネント][更新][オプション] の各ボタンをクリックし、アプリケーションの実行に必要な必須コンポーネントの追加やアプリケーションの説明などを設定します。

  5. [今すぐ公開] ボタンをクリックします。インストーラの作成に成功すると、事前に指定した公開場所に ClickOnce インストーラの実行ファイルおよび関連ファイルが生成されます。

インストーラの配置

前述の「インストーラの作成」を実行することで生成された実行ファイルおよび関連ファイルは、発行プロファイルで指定された発行場所(既定では、プロジェクトフォルダ内の publish\ フォルダ)にあります。この場所にあるファイルをすべて、配布に使用する媒体(ネットワークフォルダ、外部記録媒体など)にコピーします。

アプリケーションのインストール

外部記録媒体などを介して、生成されたインストーラおよび関連ファイルをセットアップ先に配布し、ファイルに含まれる「setup.exe」を実行します。インストーラが起動するので [インストール] ボタンをクリックしてインストールを実行します。インストールが完了すると、アプリケーションが起動します。

上記の例では、アプリケーションが署名されていないため、セキュリティの警告が表示されます。アプリケーションが署名されている場合、表示される画面は上記とは異なります

アプリケーションの実行

配置したアプリケーションは Windows のスタートメニューから実行できます。

アプリケーションの更新

発行プロファイルにて更新プログラムの確認を有効にすることで、アプリケーションの新しいバージョンが公開されている場合、自動的に新しいバージョンをインストールすることができます。この時、アプリケーションの実行前(もしくは後)に、利用可能な更新があることを通知するメッセージが表示されます。[OK] ボタンをクリックすると、アプリケーションが更新されます。

また、アプリケーションを更新した後に以前のバージョンに戻すには、「アプリと機能」を開き、配置したアプリケーションを選択して[アンインストール]ボタンをクリックします。アプリケーションの保守画面が表示されるので、「アプリケーションを以前の状態に復元します」を選択して [OK] ボタンをクリックことで、アプリケーションを以前のバージョンに復元できます。

アプリケーションの削除

配置したアプリケーションを削除するには、、「アプリと機能」を開き、配置したアプリケーションを選択して[アンインストール]ボタンをクリックします。アプリケーションの保守画面が表示されるので、「このコンピュータからアプリケーションを削除します」を選択して [OK] ボタンをクリックことで、アプリケーションを削除できます。

 

 


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