デザイナによる配置とコンストラクタの引数

PlusPakCell に含まれる次のセル型をデザイナで配置すると、Template.Designer.vb ファイルの初期化コードで、コンストラクタに False をとるコードが生成されます。

GcColorPickerCell
GcFontPickerCell

この引数は initialization として定義されているもので、次のような機能を提供しています。

True のとき既定のドロップダウンボタンやショートカットキーを自動的に生成します。False の場合はこれらのオブジェクトを自動的に生成しません。

たとえば、GcFontPickerCell を引数なしでインスタンス化した場合、ドロップダウンボタンを持つセルが作成されます。一方、引数に False を渡してインスタンス化した場合、ドロップダウンボタンを持たないセルが作成されます。前者は一般的な GcFontPickerCell に適し、後者は複数のボタンを持つカスタマイズされた GcFontPickerCell を作成するのに適しています。つまり、この引数は用途に応じて異なる初期化の方法を提供しています。
MultiRow のデザイナでは、ユーザーがドロップダウンボタン（サイドボタン）やショートカットキーをカスタマイズする可能性を考慮するため、上記のセルを False の引数で初期化し、合わせてドロップダウンボタンを明示的に定義します。ユーザーはドロップダウンボタンをすべて削除したり、既定のボタンを除いて独自のボタンを定義することができます。

次のコードは、引数の違いによる結果の違いを示します。

Visual Basic
C#

Imports GrapeCity.Win.MultiRow
Imports PlusPakCell = GrapeCity.Win.MultiRow.PlusPak

Private Sub Form1_Load(ByVal sender As System.Object, ByVal e As System.EventArgs) Handles MyBase.Load
    Dim gcColorPickerCell As New PlusPakCell.GcColorPickerCell()
    ' Dim gcColorPickerCell As New PlusPakCell.GcColorPickerCell(False)
    Console.WriteLine("サイドボタンの数: {0}", gcColorPickerCell.SideButtons.Count)
    Me.GcMultiRow1.Template = Template.CreateGridTemplate(New Cell() {gcColorPickerCell})
    Me.GcMultiRow1.RowCount = 5
End Sub

using GrapeCity.Win.MultiRow;
using PlusPakCell = GrapeCity.Win.MultiRow.PlusPak;

private void Form1_Load(object sender, EventArgs e)
{
    PlusPakCell.GcColorPickerCell gcColorPickerCell = new PlusPakCell.GcColorPickerCell();
    // PlusPakCell.GcColorPickerCell gcColorPickerCell = new PlusPakCell.GcColorPickerCell(false);
    
    Console.WriteLine("サイドボタンの数: {0}", gcColorPickerCell.SideButtons.Count);
    gcMultiRow1.Template = Template.CreateGridTemplate(new Cell[] { gcColorPickerCell });
    gcMultiRow1.RowCount = 5;
}

引数が True の場合、サイドボタンの数は 2 になります。引数が False の場合、サイドボタンの数は 0 になり、開発者が明示的にこれらを追加する必要があることがわかります。

参照

PlusPakCellの使い方