マスク書式は前項で解説した3つのフィールドオブジェクトを組み合わせて作成します。たとえば、郵便番号書式を作成するには、以下のフィールドオブジェクトをコレクションに追加します。

• 半角数字3文字の入力書式を定義したMaskPatternFieldオブジェクト
• ハイフン（"-"）を定義したMaskLiteralFieldオブジェクト
• 半角数字4文字の入力書式を定義したMaskPatternFieldオブジェクト

オブジェクトをコレクションに追加するには、MaskFieldCollectionInfoクラスのAddメソッドまたは、AddRangeメソッドを使用します。

サンプルコード

次のサンプルコードは、GcMask型セルに郵便番号書式を設定する例です。

GrapeCity.Win.Spread.InputMan.CellType.GcMaskCellType gcMask = new GrapeCity.Win.Spread.InputMan.CellType.GcMaskCellType();
// フィールドオブジェクトを作成します。
GrapeCity.Win.Spread.InputMan.CellType.Fields.MaskPatternFieldInfo maskPatternField1 = new GrapeCity.Win.Spread.InputMan.CellType.Fields.MaskPatternFieldInfo("\\D", 3, 3);
GrapeCity.Win.Spread.InputMan.CellType.Fields.MaskLiteralFieldInfo maskLiteralField1 = new GrapeCity.Win.Spread.InputMan.CellType.Fields.MaskLiteralFieldInfo("-");
GrapeCity.Win.Spread.InputMan.CellType.Fields.MaskPatternFieldInfo maskPatternField2 = new GrapeCity.Win.Spread.InputMan.CellType.Fields.MaskPatternFieldInfo("\\D", 4, 4);
maskLiteralField1.Text = "-";
// フィールドをコレクションに追加してセルに書式を設定します。
gcMask.Fields.AddRange(new GrapeCity.Win.Spread.InputMan.CellType.Fields.MaskFieldInfo[] { maskPatternField1, maskLiteralField1, maskPatternField2 });
// セルにGcMask型セルを設定
fpSpread1.ActiveSheet.Cells[0, 0].CellType = gcMask;

Dim gcMask As New GrapeCity.Win.Spread.InputMan.CellType.GcMaskCellType()
' フィールドオブジェクトを作成します。
Dim maskPatternField1 As New GrapeCity.Win.Spread.InputMan.CellType.Fields.MaskPatternFieldInfo("\D", 3, 3)
Dim maskLiteralField1 As New GrapeCity.Win.Spread.InputMan.CellType.Fields.MaskLiteralFieldInfo("-")
Dim maskPatternField2 As New GrapeCity.Win.Spread.InputMan.CellType.Fields.MaskPatternFieldInfo("\D", 4, 4)
maskLiteralField1.Text = "-"
' フィールドをコレクションに追加してセルに書式を設定します。
gcMask.Fields.AddRange(New GrapeCity.Win.Spread.InputMan.CellType.Fields.MaskFieldInfo() {maskPatternField1, maskLiteralField1, maskPatternField2})
' セルにGcMask型セルを設定
FpSpread1.ActiveSheet.Cells(0, 0).CellType = gcMask

フィールドオブジェクトをMaskFieldCollectionInfoから削除するには、Removeメソッドまたは、RemoveAtメソッドを使用します。

次のサンプルコードは、MaskFieldCollectionInfoの先頭のフィールドを削除する例です。

// コレクションの先頭のオブジェクトを削除
GrapeCity.Win.Spread.InputMan.CellType.GcMaskCellType cell = (fpSpread1.ActiveSheet.GetCellType(0, 0) as GrapeCity.Win.Spread.InputMan.CellType.GcMaskCellType);
cell.Fields.RemoveAt(0);

' コレクションの先頭のオブジェクトを削除
Dim cell As GrapeCity.Win.Spread.InputMan.CellType.GcMaskCellType = TryCast(FpSpread1.ActiveSheet.GetCellType(0, 0), GrapeCity.Win.Spread.InputMan.CellType.GcMaskCellType)
cell.Fields.RemoveAt(0)

ここでは、GcMask型セルに設定可能な３種類のフィールドについて、すべてのフィールドに共通な設定項目と各フィールドに特化した設定項目にわけて解説します。

すべてのフィールドクラスに共通な設定

これらのプロパティは、GcMask型セルのすべてのフィールドオブジェクトに共通な設定項目です。

パターンフィールド(MaskPatternFieldInfo)

パターンフィールド（MaskPatternFieldInfoクラス）は、GcMask型セルの最も特徴的な機能である入力マスクを設定するフィールドです。
パターンフィールドで最も重要なプロパティはPatternプロパティで、入力マスクを定義するためのキーワードを設定することができます。

◆ Pattern プロパティで使用可能な表現のタイプ

◆ Pattern プロパティで使用可能なキーワード

1. 主要なキーワード

半角文字と全角文字は、その文字のShift-JISコードを使って識別されます。

2. 補助的なキーワード

以下にパターンフィールドでの書式設定の例をあげます。

リテラル文字フィールド (MaskLiteralFieldInfo)

リテラル文字フィールド（MaskLiteralFieldInfoクラス）は、コントロールに表示するリテラル文字を設定します。

列挙型フィールド (MaskEnumerationFieldInfo)

列挙型フィールド（MaskEnumerationFieldInfoクラス）は、設定された列挙体の項目から選択して文字列をコントロールに表示することができます。このフィールドには、列挙体で設定された文字列以外の文字は入力できません。
列挙体に設定された文字列を選択するには、コントロールのスピン機能によって順次表示させるか、列挙型フィールドにドロップダウンリストを表示してリストから選択することができます。
ドロップダウンリストはフィールド単位で表示されるため、１つのコントロールに複数の列挙体フィールドを設定すれば、複数のドロップダウンリストを持ったコントロールを作成することもできます。