数式には、独自に定義したカスタム名を使用できます。 カスタム名は、スプレッドシート内の情報を表す識別子です。 カスタム名は、セル、セル範囲、計算値、または数式に対して設定できます。 SPREAD for Windows Formsのカスタム名の機能は、MS Excel の数式での名前によるセル参照と同等の機能を提供します。 カスタム名は最大255文字で、文字、数字、アンダースコアを含めることができます。最初の文字は、文字またはアンダースコアでなければなりません。全角文字も使用可能です。
カスタム名の値は、文字列オブジェクトまたは数式オブジェクトとして割り当てまたは検索されます。 カスタム名の追加または取得に使用する各メソッドの詳細については、「アセンブリ リファレンス」を参照してください。
次に、例を示します。
C# |
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FarPoint.Win.Spread.Model.DefaultSheetDataModel dataModel; dataModel = (FarPoint.Win.Spread.Model.DefaultSheetDataModel)fpSpread1.ActiveSheet.Models.Data; dataModel.AddCustomName("Total", new FarPoint.CalcEngine.CellExpression(3, 2)); |
Visual Basic |
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Dim dataModel As New FarPoint.Win.Spread.Model.DefaultSheetDataModel dataModel = CType(FpSpread1.ActiveSheet.Models.Data, FarPoint.Win.Spread.Model.DefaultSheetDataModel) dataModel.AddCustomName("Total", New FarPoint.CalcEngine.CellExpression(3, 2)) |
絶対的なセル位置 (3,2) を表す、Total という名前のカスタム名が作成されます。 A1 表記を使用する場合であれば(ReferenceStyle = A1)、これは次のコードと同じ意味です。
C# |
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dataModel.AddCustomName("Total", "$D$3", 0, 0); |
Visual Basic |
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dataModel.AddCustomName("Total", "$D$3", 0, 0) |
Excel では、次のようになります。
名前「Total」、参照範囲「=$D$3」
いったん定義したカスタム名は、数式内でも使用できます。 この場合は、数式の評価時に、カスタム名の値が参照および評価されます。 前述の定義をそのまま使用すると、数式の割り当てを示す次の2つのコードは同じ結果となります。
C# |
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fpSpread1.ActiveSheet.SetFormula(0, 0, "Total"); fpSpread1.ActiveSheet.SetFormula(0, 0, "$D$3"); |
Visual Basic |
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FpSpread1.ActiveSheet.SetFormula(0, 0, "Total") FpSpread1.ActiveSheet.SetFormula(0, 0, "$D$3") |
AddCustomName および GetCustomName メソッドの文字列バージョンは、基本となる行または列を引数として受け取ることに注意してください。 これらの引数は、A1 表記の相対アドレスを解析または逆解析するために使用されます。 絶対アドレスを使用する場合、または R1C1 表記を使用する場合は、これらの引数は無視されます。 A1 表記では、相対オフセットを計算するための基準となる場所を指定する必要があります。
次に、例を示します。
C# |
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dataModel.AddCustomName("Beta", "D3", 0, 0); // "R[2]C[3]" と同じ dataModel.AddCustomName("Gamma", "D3", 4, 4); // "R[-2]C[-1]" と同じ |
Visual Basic |
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dataModel.AddCustomName("Beta", "D3", 0, 0) ' "R[2]C[3]" と同じ dataModel.AddCustomName("Gamma", "D3", 4, 4); ' "R[-2]C[-1]" と同じ |
つまり、"D3"はセル A1 から列方向に +3、行方向に +2 ですが、セル E5 からは -1/-2 です。 Excel で[挿入]−[名前]−[定義]を選択して開かれるダイアログでは、基本の場所としてアクティブ セルが使用されます。
カスタム名の詳細、およびその作成方法については、SPREAD for Windows Forms 製品ヘルプの「開発者ガイド」を参照してください。
カスタム名を追加または取得するメソッドの詳細については、「アセンブリ リファレンス」を参照してください。
数式の概要については、「数式の概要」を参照してください。