InputMan for Windows Forms 11.0J 移行ガイド > 6.0J からの移行 > 移行に関する注意点 |
ここでは、6.0J から 11.0J へ移行する際の注意事項について説明します。
移行の対象となるプロジェクトが Visual Studio で開かれている場合は、該当プロジェクトを終了してください。
プロジェクトに関わるライブラリやユーザーコントロールなど、InputMan を使用している全てのプロジェクトを移行してください。プロジェクトが分かれている場合には、プロジェクト毎に移行ツールを実行する必要があります。
移行ツールは変更された名前空間やメンバ名を自動的に変換しますが、次のようなケースでは、移行ツールがこれらの変更を正しく検出しない可能性がございます。その場合は、手動にてコードを変更してください。
Imports ステートメント(Visual Basic)や using ディレクティブ(C#)を使用して、名前空間のエイリアスを作成している。
複数行にわたり、クラスやメンバ名を記述している。
変更されたクラスやメンバと同じ名前のユーザ定義クラス、メンバが存在している。
住所検索コンポーネントについては、「JPAddress for .NET」の機能を使って実現しています。6.0J の住所検索コンポーネントを含むプロジェクトを移行するには JPAddress の開発ライセンスが別途必要です。
対象のフレームワークが.NET Framework 3.0 以前の場合は、3.5 SP1 以降に変更する必要があります。対象のフレームワークを変更する方法については、下記の MSDN を参照してください。
方法: .NET Framework のバージョンをターゲットにする
6.0J で提供されていた日付コントロール(GcDate)は、11.0J では日付時刻コントロール(GcDateTime)として提供されます。11.0J の日付コントロール(GcDate)は、日付部分の入力に特化した新コントロールとなります。
また、6.0J の日付検証コンポーネント(GcDateValidator)は、11.0J では日付時刻検証コンポーネント(GcDateTimeValidator)として提供され、11.0J の日付検証コンポーネント(GcDateValidator)は、日付コントロール(GcDate)の検証を行う新コンポーネントとなります。
6.0J | 11.0J |
---|---|
日付コントロール(GcDate) | 日付時刻コントロール(GcDateTime) |
該当なし | 日付コントロール(GcDate) |
日付検証コンポーネント(GcDateValidator) | 日付時刻検証コンポーネント(GcDateTimeValidator) |
該当なし | 日付検証コンポーネント(GcDateValidator) |
6.0J の GcDate は、移行ツールにより 11.0J の GcDateTime に移行されます。ただし、以下の例のように using(Visual Basic の場合は Imports)を使用している場合など、明示的に名前空間から宣言されていない GcDate については注意が必要です。
' 名前空間から宣言していないGcDateの例 Imports GrapeCity.Win.Editors Dim GcDate1 As GcDate = New GcDate()
// 名前空間から宣言していないGcDateの例 using GrapeCity.Win.Editors; GcDate gcDate1 = new GcDate();
上記のような場合でも GcDateTime に変換する場合、移行ツールの[移行する製品構成]の設定で「名前空間のないGcDateもGcDateTimeに変換する」のチェックボックスをオンにします。このとき、以下についても "GcDateTime" への変換の対象となります。
"GcDate" という名前のユーザー定義の名前空間、クラス、メソッド、プロパティおよび変数
半角文字や改行などで区切られた、コメントや文字列中の "GcDate"
「GrapeCity.Win.Editors.GcDate」と名前空間から定義されている GcDate のみを GcDateTime に変換する場合には、チェックボックスをオフにします。この場合、名前空間なしで定義された GcDate は、GcDateTime へ自動的に変換されないため、移行ツールで移行後に手作業での修正が必要となります。詳細については「移行後に必要な修正 - 日付コントロール」を参照してください。
同様に、GcDateValidator についても、移行ツールは 11.0J の GcDateTimeValidator に変換しますが、移行ツールの[移行する製品構成]の設定で「名前空間のないGcDateValidatorもGcDateTimeValidatorに変換する」のチェックボックスをオンにすることで、名前空間から宣言されていない GcDateValidator も GcDateTimeValidator に変換されます。このチェックボックスをオフにした場合は、移行ツール実行後に手作業での修正が必要となります。詳細については「移行後に必要な修正 - 日付検証コンポーネント」を参照してください。
ラッパーコンボコントロール(Interop.Combo)は、4.0J 以前のバージョンから 6.0J への移行により変換されるコントロールですが、4.0J 以前のコンボコントロールが搭載しているマスク入力機能をサポートしていません。
11.0J のラッパーコントロールでは、4.0J 以前のバージョンと同等のマスク機能を備えたラッパークラシックコンボコントロール(Interop.ClassicComboBox)が提供されます。
6.0J のラッパーコンボコントロールを利用しているプロジェクトを移行する際は、ラッパーコンボコントロールを引き続き利用するか、ラッパークラシックコンボコントロールに移行するかを選択できます。
移行ツールの[移行する製品構成]」の設定で「InputMan 6.0J Wrapper Combo から InputMan 11.0J Wrapper ClassicComboBox」のチェックボックスをオンにすると、6.0J のラッパーコンボコントロールはラッパークラシックコンボコントロールに移行されます。
ラッパーコンボコントロールを引き続き利用する場合は、移行ツール実行後に特に修正は必要ありませんが、ラッパークラシックコントロールに移行する際の注意点については、「移行後に必要な修正 - ラッパーコンボコントロール」を参照してください。
移行ツールにより、6.0J のコントロールは以下のように移行されます。
6.0J のコントロール | 11.0J のコントロール | ||
---|---|---|---|
テキスト | GcTextBox | テキスト | GcTextBox |
マスク | GcMask | マスク | GcMask |
日付 | GcDate | 日付時刻 | GcDateTime |
数値 | GcNumber | 数値 | GcNumber |
コンボ | GcComboBox | コンボ | GcComboBox |
リスト | GcListBox | リスト | GcListBox |
キャラクタボックス | GcCharMask | キャラクタボックス | GcCharMask |
タイムスパン | GcTimeSpan | タイムスパン | GcTimeSpan |
IME | GcIme | IME | GcIme |
日付検証 | GcDateValidator | 日付時刻検証 | GcDateTimeValidator |
数値検証 | GcNumberValidator | 数値検証 | GcNumberValidator |
リッチテキスト | GcRichTextBox | リッチテキスト | GcRichTextBox |
ショートカット | GcShortcut | ショートカット | GcShortcut |
住所検索 | GcAddress | 住所検索 | GcAddress |
汎用検証 | GcCommonValidator | 汎用検証 | GcCommonValidator |
タイムスパン検証 | GcTimeSpanValidator | タイムスパン検証 | GcTimeSpanValidator |
フィールドスタイラー | GcFieldStyler | フィールドスタイラー | GcFieldStyler |
ラッパーテキスト | Interop.Edit | ラッパーテキスト | Interop.Edit |
ラッパーマスク | Interop.Mask | ラッパーマスク | Interop.Mask |
ラッパー日付 | Interop.Date | ラッパー日付 | Interop.Date |
ラッパー数値 | Interop.Number | ラッパー数値 | Interop.Number |
ラッパーコンボ | Interop.Combo | ラッパーコンボ ラッパークラシックコンボ |
Interop.Combo Interop.ClassicComboBox |
ラッパーリスト | Interop.List | ラッパーリスト | Interop.List |
ラッパーキャラクタボックス | Interop.CharMask | ラッパーキャラクタボックス | Interop.CharMask |
ラッパータイムスパン | Interop.TimeSpan | ラッパータイムスパン | Interop.TimeSpan |
ラッパー郵便番号 | Interop.Postal | ラッパー郵便番号 | Interop.Postal |
ラッパーIME | Interop.Ime | ラッパーIME | Interop.Ime |
ラッパー日付検証 | Interop.DateValidator | ラッパー日付検証 | Interop.DateValidator |
ラッパー数値検証 | Interop.NumberValidator | ラッパー数値検証 |
Interop.NumberValidator |
ラッパーコントロールは、11.0J への移行前に 4.0J 以前のバージョンから 6.0J または 7.0J へ移行したことのあるプロジェクトに存在します。 |