SPREAD for WPF 4.0J - GcSpreadGrid
ClickOnce による配布
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ClickOnce(クリックワンス)は、ユーザーとの最小限の対話によってインストールして実行できる、自己更新型の Windows ベースのアプリケーションの作成を可能にする配置テクノロジです。ここでは、ClickOnce を使用したアプリケーションの配布について、発行、配置、実行、更新、削除の一連のプロセスを説明します。ClickOnce の詳細については、Visual Studio のドキュメントまたは Microsoft Learn、市販の雑誌・解説書を参照してください。

Google ChromeでClickOnceを使用するには、拡張機能をインストールする必要があります。

アプリケーションの発行

ClickOnce で .NET Framework をターゲットとした Windows デスクトップアプリケーションを IIS(インターネットインフォメーションサービス)に設置するには、次の手順でプロジェクトを発行します。ここでは新規プロジェクトにGcSpreadGridコントロールを配置したサンプル(.NET Framework 4.8版)を使用した例を示します。

  1.  Visual Studio を起動し、該当のプロジェクトを開きます。
  2. ソリューションエクスプローラのツリー上でプロジェクトのノードを右クリックし、コンテキストメニューの[発行]を選択します。
  3. [公開フォルダーの場所]欄に、生成したインストーラの出力先となるフォルダを指定します。
  4. [インストールフォルダの URL]欄に、発行したアプリケーションの公開先となる Url を記述します。ここでは、例としてローカル IIS 上の「http://localhost/GcSpreadGridSample/」を公開先とみなしています。  
  5. [インストールモードと設定]欄では、オフラインでもアプリケーションを利用できるようにするかどうかと、以下の各種オプションを設定できます。
    • 「アプリケーションファイル」では、アプリケーションの構成ファイルとして含めるファイルを管理します。SPREADのコンポーネントのすべてのアセンブリに対する「公開の状況」が「含む」となっていることを確認してください。
      この操作は、実行環境において、製品のアセンブリをアプリケーションと同じフォルダに配置させるために必要です。
    • 「必須コンポーネント」では、アプリケーションの実行に必要な各種ランタイムを選択します。配布先に必須コンポーネントがない場合のインストール方法などを指定します。
    • 「更新」では、アプリケーションの自動更新に関する設定を行います。
    • 「オプション」では、発行者に関する情報や各種オプションを指定します。「説明」ページでは、アプリケーションの説明などを記述します。
    • 「配置」ページでは、配置用の Web ページを作成するかどうかを指定できます。既定の Web ページを作成する場合は、「配置 Web ページ」欄に html ファイル名を入力し、「公開後に毎回配置 Web ページを自動的に生成する」のチェックを ON にします。
      その他、必要に応じて「マニフェスト」「ファイルの関連付け」の各ページにてオプションを設定します。
  6. 最後に、公開するバージョンを指定して、[今すぐ公開]ボタンをクリックします。
    発行フォルダの場所へアプリケーションが発行されます(ここでは、既定の設定であるプロジェクトフォルダ内の publish フォルダ)。発行フォルダには次のようなファイルがコピーされます。

ClickOnce で .NET 6以降をターゲットとした Windows デスクトップアプリケーションを IIS(インターネットインフォメーションサービス)に設置するには、次の手順でプロジェクトを発行します。ここでは新規プロジェクトにGcSpreadGridコントロールを配置したサンプル(.NET 6版)を使用した例を示します。

  1. Visual Studio を起動し、該当のプロジェクトを開きます。
  2. ソリューションエクスプローラのツリー上でプロジェクトのノードを右クリックし、コンテキストメニューの[発行]を選択します。

    発行プロファイルがまだ作成されていない場合は、発行ウィザードが起動します。発行プロファイルが作成済みの場合は、手順3〜手順8をスキップできます。

  3. 「ターゲット」画面にて、「ClickOnce」を選択し、[次へ]ボタンをクリックします。
  4. 「発行場所」画面にて、インストーラの保存先となるフォルダを指定し、[次へ]ボタンをクリックします。既定では、プロジェクトの bin フォルダ内に publish フォルダが作成され、そこに出力されます。
  5. 「インストール場所」画面にて、発行したアプリケーションの公開先となる Url を指定し、[次へ]ボタンをクリックします。ここでは、例としてローカル IIS 上の「http://localhost/GcSpreadGridSample-net/」を公開先とみなしています。
  6. 「設定」画面にて、発行するアプリケーションのバージョンやアプリケーションに関する各種設定を行い、[次へ]ボタンをクリックします。
  7. 「アプリケーションファイル」では、アプリケーションの構成ファイルとして含めるファイルを管理します。SPREADのコンポーネントのすべてのアセンブリに対する「発行の状況」が「含める」となっていることを確認してください。
    この操作は、実行環境において、製品のアセンブリをアプリケーションと同じフォルダに配置させるために必要です。
  8. 「必須コンポーネント」では、アプリケーションの実行に必要な各種ランタイムを選択します。配布先に必須コンポーネントがない場合のインストール方法などを指定します。
  9. 「発行オプション」では、発行者に関する情報や各種オプションを指定します。
  10. 「マニフェストの署名」画面にて、ClickOnce マニフェストへの署名を行うかどうか、署名する場合は使用する証明書などを指定し、[次へ]ボタンをクリックします。
  11. 「構成」画面にて、アプリケーションの構成を確認したら、[完了]ボタンをクリックします。

アプリケーションの発行

発行フォルダ内のすべてのファイルおよびフォルダを、公開先となる Web サイトにアップロードします。

アプリケーションを発行した URL(この例ではhttp://localhost/GcSpreadGridSample/publish.htm)をブラウザで開くと、次のような画面が表示されます。この画面の表示内容は、プロジェクトのプロパティで変更できます。

[インストール]ボタンをクリックすると、アプリケーションのダウンロードが開始されます。ダウンロード後にインストーラを起動すると、アプリケーションの発行元を確認するダイアログが表示されます。

ClickOnce アプリケーションがコードサイニング証明書などを使用して署名されていれば、公開元の情報が表示されるようになります。

[インストール]ボタンをクリックすると、アプリケーションがクライアントPCにインストールされます。インストールが完了すると、アプリケーションが起動します。

アプリケーションの実行

配置したアプリケーションは Windows のスタートメニューから実行できます。

アプリケーションの更新

配置したアプリケーションを更新するには、アプリケーションを発行した URL にアクセスし、[インストール]ボタンをクリックします。Web サーバーに新しいバージョンが設置されている場合、自動的に新しいバージョンがインストールされます。

アプリケーションを更新した後に以前のバージョンに戻すには、OS の設定画面にて [アプリ]-[インストールされているアプリ] を開き、配置したアプリケーションを選択して [アンインストール] ボタンをクリックします。「アプリケーションを以前の状態に復元します」を選択し、[OK]ボタンをクリックすると、アプリケーションが以前のバージョンに復元されます。

アプリケーションの削除

配置したアプリケーションを削除するには、OS の設定画面にて [アプリ]-[インストールされているアプリ] を開き、配置したアプリケーションを選択して [アンインストール] ボタンをクリックします。「このコンピュータからアプリケーションを削除します。」を選択し、[OK]ボタンをクリックすると、クライアント PC からアプリケーションを削除できます。

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