ActiveReports for .NET11.0Jには数多くの新機能が追加されています。
ActiveReportsでは、LabelとTextBoxコントロールに対して導入されたMinCondenseRateプロパティを使用して、ユーザーはテキストの幅をコントロールの幅内に収まるように縮小する(長体化する)ことができます。このプロパティの使用により、テキストのサイズが水平方向に圧縮され、テキスト内のすべての文字と文字間隔が同じ比率で縮小されます。詳細については、「長体(テキスト幅の自動縮小)」を参照してください。
Tableデータ領域の詳細セクションにあるセル、またTablixデータ領域の行グループ外のセルに対して導入されたAutoMergeプロパティを使用して、重複する値を持つセルを結合することができます。 詳細については、「データ領域のセルの結合」を参照してください。
「ASP.NET Webアプリケーション」および「HTML5ビューワ用JavaScriptライブラリ」の運用環境として、Microsoft Azure Web Appsを正式にサポートしました。なお、Microsoft Azure Web Apps上でアプリケーションを動作させる場合、いくつか制限事項がございます。詳細については、弊社Webサイトの「Azure Web Apps上で運用する場合の制限事項について」をご覧ください。
HTML5ビューワに、すべてのページを連続(スクロール可能な形式)で表示できる[連続ページ]表示モードが追加されました。[連続ページ]表示モードはデスクトップまたはモバイルUIの両方で利用することができます。 詳細については、「HTML5ビューワの使用」を参照してください。
Tableデータ領域と同様に、Tablixデータ領域にもRepeatToFillプロパティが追加されました。このプロパティを「True」に設定することで、FixedSize.Heightプロパティで定義された高さを埋めるために十分なデータがない場合も、空白行を出力して領域を埋めます。なお、RepeatToFillプロパティによって埋められるのは垂直方向の領域のみです。水平方向のデータが不足している場合に、空白列を出力することはありません。
複数値を取るパラメータについて、選択できる値が多くなればなるほど、それらをすべて選択した時のSQLクエリが長くなります。すべての値を選択した場合でも短いSQLクエリを作成し、パフォーマンスを向上させるために、「すべてを選択する」プロパティが導入されました。このプロパティは、ページレポートまたはRDLレポートで使用することができます。詳細については、「複数値を取るパラメータの追加」を参照してください。
サーバー共有データソースをベースとして埋め込みのデータセットを作成できるようになりました。
レポートデータソースダイアログで[参照]フィールドの[サーバーから開く]オプションを選択して、[サーバー共有データソース]ダイアログのリストから使用するサーバー共有データソースを選択することで、サーバー共有データソースをベースとしたレポートの埋め込みデータセットを、他の通常の埋め込みデータセットと同様に作成することができます。この機能追加により、サーバー共有データソースを使用してレポートを作成するときに、データセットをサーバー上に発行する必要がありません。詳細については、「サーバー共有データソース」を参照してください。
Visual Studio 2017に対応しました。レポートデザイナなどが、Visual Studio 2017に統合されます。
SVG(Scalable Vector Graphics)テクノロジーの使用によって、HTML5ビューワ上のチャート表示を改善しました。描画したチャートを高解像度のデバイスでズームイン/ズームアウトした場合も、スムーズな外観のキープが可能になります。
FrozenRowsプロパティ、FrozenColumnsプロパティをTableデータ領域、Tablixデータ領域に追加しました。この機能追加によって、HTML5ビューワ使用時のゲラモードによるレポート表示が向上します。データ領域が大量のデータを含んでいるために、すべてのコンテンツを追うにはスクロール操作が必要になる場合、通常、ヘッダ行/ヘッダ列はスクロールの途中から表示範囲外へと消えてしまいます。しかし、この新たな2つのプロパティは、Table/Tablix内のすべてのヘッダ列/ヘッダ行の位置を固定させるので、ヘッダ行/ヘッダ列はデータスクロール中も同じ位置に留まります。これはRDLレポートのための機能改善です。詳細については、「行/列の固定表示(RDLレポート)」を参照してください。
チャートにもう1つの改善を加えることで、より対話的なレポート表示を実現しました。新たに追加したTooltipプロパティに式を入力してから、HTML5ビューワで表示したチャートのデータ上でポインタをホバーさせると、データ情報をツールヒントで表示することができます。詳細については、「HTML5ビューワで表示するチャートへのツールヒントの追加」を参照してください。
特定のデータセットから指定した条件に該当するデータを検索し、特定のフィールドの値を取得するLookup関数を追加しました。この関数を使用することで、たとえば、ひとつのデータ領域内に複数のデータセットを表示することが可能になります。
[レポートに移動]フィールドに式を追加できるようになりました。この機能追加によって、条件に応じて移動先のレポートが変化するドリルスルーリンクを作成できるようになりました。
ActiveReports 11.0J Serverに配置されたサーバー共有データソースとサーバー共有データセットについて、UserContext属性を使用した動的な接続文字列を設定できるようになりました
描画プロセスの最適化とリファクタリングされた新レイアウトエンジン、新データエンジンの採用により、省メモリ化と高速化を実現しました。また、大量ページの場合であっても、1ページ目がすぐにプレビューされるようになりました。
以下は、ページレポート/RDLレポート使用して1000ページの請求書をプレビューした結果です(ActiveReports for .NET9.0J ⇒ ActiveReports for .NET11.0J)。こちらで比較結果を動画でも公開しています。
パフォーマンス比較
9.0J | 11.0J | |
---|---|---|
速度(秒) | 42.77 | 8.30 |
メモリ使用量(MB) | 213.3 | 107.5 |
計測条件
Excelで作成された帳票レイアウトからActiveReportsの帳票定義ファイル(*.rdlx)を自動生成する専用ツールが付属。他社で作成した帳票デザインをExcel経由で移行する、Excelで作成した帳票仕様書から帳票定義ファイルを生成するなどさまざまな用途にお使いいただけます。詳細については、「Excelのインポート」を参照してください。
階層構造を持ったデータをクロス集計表示する際に便利なMatrixコントロールの機能を引き継ぎ、より柔軟なレイアウトが実現できるTablixコントロールを新たに提供します。なお、ActiveReportsのレポートエンジンはMatrixコントロールとの互換性を維持しているため、7.0J、9.0Jで作成したレポートはそのまま動作します※。 ※MatrixはTablixに置き換わりません。従来のMatrixがそのまま動作します。
Tablixコントロールの優位点
詳細については、「Tablix」、「Tablixでのグループ化」、「Tablixでのセルの結合」を参照してください。
CSVファイルのエンコーディング、区切り文字、文字列の引用符などを指定するだけで、手軽にCSVファイルをデータソースとして扱えるようになりました。豊富な設定オプションを備えており、さまざまな種類のテキストベースデータソースへの接続が可能です。詳細については、「CSV Provider」、「CSVデータを使ったレポート」を参照してください。
ファイルシステム、Webサービス、WebAPIなどのソースからJSON形式のデータをデータソースとして読み込むことができます。詳細については、「JSON Provider」、「JSONデータを使ったレポート」を参照してください。
PDFの印刷プリセットに対応しました。帳票をPDF出力する際に基本的な印刷オプション(ページの拡大/縮小、両面印刷モード、ページサイズに合わせて用紙を選択、ページ指定、部数)をPDFファイル内に含めることができます。たとえば、毎回3部印刷する帳票があった場合、印刷プリセットを利用することで、手動で部数設定する必要がなくなります。詳細については、「PDF印刷プリセットの使用」を参照してください。
スタイルシート機能を提供します。フォント、背景色、行間、罫線の色、パディング等のプロパティを定義したスタイルを帳票内のコントロールに適用できます。スタイルのコレクションをスタイルシート(*.rdlx-styles)として保存することで、様々な場面で再利用できます。実行時に、Stylesheet.SourceプロパティとStylesheet.Valueプロパティを設定することにより、これらのスタイルシートをレポートに追加し、StyleNameプロパティを使用してスタイルを選択したコントロールに適用することができます。詳細については、「スタイル」、「スタイルの操作」を参照してください。
レポートパーツは既存帳票の再利用性を高めるための帳票デザイナの機能です。既存帳票をパーツとしてレポートライブラリに登録しておくことで、再利用したい要素を瞬時に新規帳票へ追加することができます。たとえばテーブルを再利用するケースでは、それに紐づくデータソースや内包されるコントロールも一緒に追加されるため、帳票レイアウトにかかる時間を短縮できます。詳細については、「レポートパーツ」、「レポートパーツを使用したレポートの作成」を参照してください。
以下のようにレポートデザイナの操作を改善しました。
すべてのビューワでゲラモードが利用できるになりました。従来のWindowsフォーム用ビューワに加え、Webビューワ(Flash/PDF/HTML)、HTML5ビューワ、WPFビューワでもゲラモードが利用できます。
※Webビューワ(PDF/RawHTML)はRenderModeプロパティからの事前指定のみ対応。帳票表示時の対話的なモード切り替えには未対応。
系列ごとに異なるグラフ種別を設定できる複合グラフが従来のセクションレポートに加え、ページレポート、RDLレポートでも作成できるようになりました。複合グラフでは、以下のグラフの種類がサポートされています。
詳細については、「複合グラフ」を参照してください。
従来のWord HTML(.doc)形式に加えて、新たにOffice Open XML(.docx)形式を提供します。単にフォーマットが異なるだけではなく、ページの要素がフローレイアウトで出力されるため、Wordアプリケーションでの加筆修正などの二次加工に向いています。また、パスワードを使用してドキュメントを保護することもできます。
Barcodeコントロールが省スペースで少量データ用途に最適なマイクロQRコードの出力に対応しました。
OptimizeStaticプロパティを「True」に設定することにより、PDF描画拡張機能を使用してページレポートをより少ない時間で縮小サイズのPDFファイルにエクスポートできます。詳細については、「OptimizeStaticプロパティ」を参照してください。
Windowsフォーム用ビューワとWPFビューワにおいて、ActiveReports Server上に配置したレポートを直接プレビュー、印刷、エクスポートすることができます。これにより、VisualStudioデザイナ、あるいはActiveReportsエンドユーザーデザイナコントロールは、ActiveReports Serverと統合されるようになりました。
ActiveReports Serverに配置した共有データソースや共有データセット、共有サブレポートなどをクライアント側での帳票開発時に利用できます。例えば、特定のデータベースへ接続する共有データソースを複数の帳票で利用することにより、開発の効率化や一元管理が可能となります。
共有リソースと対応するレポート種別セクションレポート | ページレポート | RDLレポート | |
---|---|---|---|
共有データソース/データセット | ● | ● | |
共有サブレポート | ● | ● | |
共有マスターレポート | ● | ||
共有レポートパーツ | ● | ● | ● |
共有スタイルシート | ● | ● | |
共有画像 | ● | ● |
ASP.NETアプリケーションの運用環境として、Chromeがサポートされるようになりました。
ActiveReports for .NET11.0Jでは、次のAPIが追加されています。
このプロパティでは、ユーザーがPDFドキュメントにフォントを埋め込むかどうかを指定します。EmbedFontsプロパティに「None」を指定すると、レポート内で使用している全てのフォントを非埋め込みに設定できます。また、「All」を指定すると、レポート内で使用している全てのフォントを埋め込みます。詳細については、「EmbedFontsプロパティ」、および「PDFへの描画」を参照してください。
このプロパティでは、ユーザーがPDFドキュメントに埋め込む必要のないフォントをセミコロン区切りの文字列で指定できます。EmbedFontsプロパティに「All」、または「Partial」を指定した場合のみ有効です。詳細については、「NeverEmbedFontsプロパティ」、および「PDFへの描画」を参照してください。
このプロパティでは、ユーザーがエンドユーザーデザイナ(Professional版のみで提供)をページレポートで使用する際に実行可能なデザイナの動作を指定することができます。詳細については、「PageReportDesignerActionsプロパティ」を参照してください。
このプロパティを「True」に設定すると、描画拡張機能を使用して生成されたページレポート、RDLレポートの既存ファイルに同じ名前の出力ファイルが存在した場合に置き換えることができます。詳細については、「OverwriteOutputFileプロパティ」を参照してください。
このプロパティを「True」に設定すると、PDFファイルのサイズを縮小して、PDF描画拡張機能を使用してペ ージレポートをエクスポートする時間を短縮することができます。「True」に設定することで、PDF描画拡張機能は静的レポートアイテムを認識して一度だけ出力PDFファイルに描画し、それ以降の描画にもそのアイテムを再利用します。詳細については、「OptimizeStaticプロパティ」を参照してください。