ActiveReportsを使用して、レポートの実行時にデータを表示するデータをフィルタ、追加できるパラメータを使用できます。ユーザーが出力をコントロールするために、パラメータをユーザーに要求したり、パラメータを事前に設定することができます。

さまざまなデータソースでパラメータの指定

クエリパラメータは、レポートパラメータのコレクション（ユーザによって入力されるまたは提供する値）、別のデータセット内のフィールド、または式から値を取得することができます。パラメータを作成するには、データソースに特有の構文を指定する必要があります。

次は、さまざまなデータソースにパラメータ付きのクエリを指定する方法について示します。

データソースの種類	パラメータの構文	例
OleDB	(?)	SELECT * FROM Customer WHERE (CustomerID = ? AND AccountNumber = ?)
ODBC	(@ParameterName)	SELECT * FROM Customer WHERE (CustomerID = @CustomerID AND AccountNumber = @AccountNumber)
SQL Client	(@ParameterName)	SELECT * FROM Customer WHERE (CustomerID = @CustomerID AND AccountNumber = @AccountNumber)
OracleDB	(:ParameterName)	SELECT * FROM Customer WHERE CustomerID = :CustomerID AND AccountNumber = :AccountNumber

ページレポート／RDLレポート

ページレポートまたはRDLレポートでは、クエリデザイナを使用して簡単にパラメータ付きクエリを作成できます。［データセット］ダイアログ内の、ボタンをクリックすることで、クエリデザイナをアクセスしてSQLクエリを作成することができます。クエリデザイナを使用して対話的にクエリを作成する方法の詳細については、「クエリデザイナでクエリの作成」を参照してください。

なお、手動でパラメータ付きクエリを作成したい場合には、３箇所のパラメータをそれぞれ設定する必要があります。設定が必要となるのは、[レポートパラメータダイアログ]、[データセット]ダイアログの[パラメータ]ページ、[データセット]ダイアログの[クエリ]ページの３箇所です。

レポート-パラメータダイアログ

レポート－パラメータダイアログにアクセスする

以下のいずれかの方法でレポートパラメータダイアログにアクセスできます。

［レポートエクスプローラ］で、[追加](+)アイコンをクリックし、 [パラメータ]オプションを選択します。
［レポートエクスプローラ］で、パラメータノード右クリックし、[パラメータの追加]を選択します。
［レポートエクスプローラ］で、レポートノード上に右クリックして[レポートパラメータ]を選択します。
［レポート］メニューから、[レポートパラメータ]を選択します。

［レポートパラメータ］ダイアログには、パラメータの一覧を持つパラメータページがあり、パラメータプロパティを設定できる３つのタブがあります。パラメータを一覧に追加するには、[追加](+)アイコンをクリックし、後述の３つのタブでパラメータのプロパティを設定します。

[レポート-パラメータ]ダイアログで、各パラメータに対してパラメータ入力ダイアログをどのように表示するかを管理できます。ダイアログで以下のプロパティを設定してパラメータを作成します。

レポートのパラメータ名を入力します。コレクションの各パラメータは一意の名前である必要があり、データセットダイアログのパラメータ名と同じ名前である必要があります。上記の例では、名前はMPAAになります。
データタイプ、パラメータ入力ダイアログのテキスト、Null値、空白、複数の値のデータ、複数行表示を許可するか、パラメータ入力ダイアログを非表示にするかを設定します。
既定値を設定、またはユーザーが利用可能な値の一覧を作成します。

パラメータは、レポートパラメータコレクション内で、パラメータが表示されている順番で取得されます。レポートパラメータダイアログから矢印のアイコンを使用して、表示順を変更することができます。

全般タブ

名前: このフィールドにパラメータ名を設定します。ここで設定する値は、パラメータ一覧に表示され、該当するクエリパラメータと一致する必要があります。
データタイプ: パラメータのデータタイプを設定し、これは、このパラメータでフィルタするフィールドのデータタイプと一致する必要があります。データタイプにより、表示されるインタフェースも異なります。
- Boolean: True・Falseの２つのオプションをユーザに提供します。
- Date: 既定値・利用可能な値のドロップダウン一覧を提供しない場合、日付ピッカーを表示します。
- DateTime: 既定値・利用可能な値のドロップダウン一覧を提供しない場合、日付ピッカー、および時刻ピッカーを表示します。
- Integer: ユーザにテキストボックス、または利用可能な値のドロップダウン一覧を表示します。
- Float: ユーザにテキストボックス、または利用可能な値のドロップダウン一覧を表示します。
- String: ユーザにテキストボックス、、または利用可能な値のドロップダウン一覧を表示します。
パラメータ入力ダイアログに表示する文字列: このフィールドにユーザから情報を要求するようなテキストを入力します。デフォルトでは、名前プロパティと同じ値になります。
Null値を許可する: パラメータでNull値を許可する場合はチェックボックスをONにします。デフォルトでは、OFFになっています。
空白の値（""）を許可する: パラメータで空白値を許可する場合はチェックボックスをONにします。デフォルトでは、OFFになっています。
複数の値を許可する: 利用可能な値から複数の値が選択可能にする場合、ONにします。
複数行表示: パラメータで複数行の値を許可したい場合、ONにします。複数行を収まるようにコントロールは自動調整されます。
非表示: パラメータ入力ダイアログをユーザに表示せずに、既定値を設定するか、サブレポートまたはドリルスルーリンクより値を渡す場合はONにします。パラメータ入力ダイアログを非表示し、既定値を提供しない場合、レポートが実行されません。

使用できる値

既定値

メモ : 使用できる値タブでは、値はクエリパラメータに渡され、ラベルがユーザに表示されます。例としては、値が社員IDである場合、ラベルに社員名の値を設定するとわかりやすくなります。

データセットダイアログのパラメータページ

［データセット］ダイアログの[パラメータ]ページで、クエリのパラメータにレポートのパラメータを渡します。パラメータ一覧の一番上の[追加]（+）アイコンをクリックし、パラメータ名を入力し、以下のような値を入力します。

=Parameters!MPAA.Value

データセットダイアログのクエリページ

実行時にユーザより入力を要求せずにレポートを実行する場合、各パラメータの既定値を設定し、パラメータダイアログの[全般]タブで[非表示]チェックボックスをONに設定する必要があります。

サブレポートのデータを容易にユーザが親レポートと同期できるので、パラメータも非表示パラメータと認識されます。詳細については、「RDLレポートでのサブレポート」を参照してください。

ドリルスルーリンクもレポートから他のレポートへナビゲートするように使用されるので、パラメータも非表示パラメータになります。 [ナビゲーション]タブで[アクション]の[レポートに移動]を選択することによりに、パラメータ一覧が有効になります。

セクションレポート

セクションレポートでは、Parametersコレクションを使用して実行時にコントロールへ直接値を渡すか、レポートの特有のインスタンスでデータのサブセットを表示できます。

レポートでパラメータを設定する様々な方法

次の構文をSQLクエリへ設定し、実行時にレポート上で表示するデータをフィルタできます。 <%Name | PromptString | DefaultValue | DataType | PromptUser%>
［レポートエクスプローラ］を使用してパラメータを追加し、レポート上にTextBoxコントロールとして配置し、実行時に値を渡すことができます。
レポートのコードから、ReportStartイベント内でパラメータを追加することが可能です。詳細については、「パラメータの追加」を参照してください。

パラメータ値をユーザより入力する

パラメータ値をユーザに入力してもらうには、以下の設定がされている必要があります。

少なくとも一つのパラメータがレポートのParametersコレクションに存在する。
少なくとも一つのパラメータのPromptUserプロパティがTrueに設定されている。
レポートオブジェクトでは、ShowParameterUIプロパティがTrueに設定されている。

コレクションにパラメータが存在し、ShowParameterUIプロパティがTrueに設定されている場合、レポートを実行する際に自動的にパラメータ入力ダイアログが表示されます。要求されている値をユーザーが入力して、OKボタンをクリックすると、レポートが入力値を使用して表示されます。

ReportExplorerより追加されたパラメータ値は、SQLクエリのパラメータへ次の「param:」というSQLクエリのパラメータのプレフィックスを指定して適用できます。このプレフィックスは、現在のパラメータをReportExplorerのパラメータと関連付けます。

例えば、 select * from CUSTOMERS where CustomerName = '<%param:Parameter1%>'。この場合、 SQLクエリ内にparam:というプレフィックスがあるパラメータが、［レポートエクスプローラ］上の該当するパラメータ値で更新されます。

ヒント: 同じレポート内に、いくつかのパラメータのPromptUserプロパティをTrueに設定し、いくつかをFalseに設定してユーザに入力を要求するかしないかを設定できます。ただし、レポートオブジェクトのShowParameterUIプロパティがFalseに設定されている場合、PromptUserの値にかかわらず、ユーザへの入力ダイアログが表示されません。

SQLクエリを使用してParametersコレクションへパラメータを追加する

SQLクエリを使用して、レポートのParametersコレクションへ単一のパラメータを追加する場合、クエリは以下のようになります。

SQLクエリ	コードのコピー
SELECT * FROM Products INNER JOIN Categories ON Products.CategoryID = Categories.CategoryID WHERE Products.SupplierID = <%SupplierID\|Enter a Supplier ID\|1\|S\|True%>

または

［レポートデータソース］ダイアログ内の、ボタンをクリックすることで、クエリデザイナでパラメータ付きクエリを作成することも可能です。クエリデザイナを使用して対話的にクエリを作成する方法の詳細については、「クエリデザイナでクエリの作成」を参照してください。

パラメータの構文にパイプ区切りで５つの値を指定します。

<%Name | PromptString | DefaultValue | DataType | PromptUser%>

最初の値（Name）が必須となりますが、３番目の値（DefaultValue）を指定しない場合、フィールド一覧はデザイン時に埋め込まれません。 Name値のみを指定し、パイプなしで渡すか、いくつかの値を指定する場合、パイプを追加しますが、指定しない値に対して空白を指定する必要はありません。例えば、<%ProductID||||False%>のようになります。

Name: パラメータの一意の名前で、コードより入力されたパラメータのKeyプロパティと該当します。
PromptString: パラメータ入力ダイアログに表示する文字列で、ユーザに入力してほしいデータについての情報を表示します。
DefaultValue: パラメータのデフォルト値を設定します。たとえば、日付パラメータの場合、フィールドのDefaultValueを現在の日付にしておくと、別の日付に基づくレポートを生成する場合を除いて、［Enter］キーを押すだけで済みます。
DataType: 既定値がS（文字列）で、この値がパラメータが示すデータ型についてActiveReportsに通知します。ユーザプロンプトで使用されるコントロールの種類についても決定されます。タイプは以下の３つから選択できます。

S (文字列)は、ユーザが文字列を入力できるテキストボックスを提供します。
データソースによっては、文字列値の場合はパラメータ構文で一重引用符を使用する場合があります。
例えば、'<%MyStringParameter%>'
また、文字列パラメータ用の既定値で引用符付きの値を指定する場合、ActiveReportsはこの引用符付きで文字列をSQLクエリに転送します。
例えば、<%MyStringParameter||"既定値"|S|False%>
D (日付) は、カレンダドロップダウンコントロールを提供し、ユーザがこのカレンダから日付を選択できます。
データソースによっては、パラメータ構文の周りにポンド記号を追加する必要がある場合があります。
例：#<%日付パラメータ%>#
B (ブール)は、ユーザがON/OFFできるチェックボックスを提供します。
True・False、または0・1の既定値を指定した場合、ActiveReportsはSQLへ同じ形式で転送します。

PromptUser: パラメータ入力ダイアログを表示するかどうかを指定するブール値。いくつかのパラメータに対して Trueを設定し、いくつかはFalseを設定することができます。レポートでパラメータのPromptUserプロパティの値にかかわらず、レポートのShowParameterUIプロパティがFalseに設定されている場合、パラメータ入力ダイアログが表示されません。