チュートリアル4.2: Subreportを使用したマスター詳細レポートの作成

マスターレポートから詳細部分を分ける必要がある場合は、2つのレポートを個別に作成し、Subreportコントロールを使用してマスターレポートに詳細レポートを埋め込むことができます。パラメータは、詳細をフィルタリングするために、マスターレポートから詳細レポートへと渡されます。

このチュートリアルのねらい

このチュートリアルでは、HTML5 Webデザイナでサブレポートを使用してマスター-詳細レポートを作成する手順を紹介します。

メモ: このチュートリアルでは、「チュートリアル3: パラメータ付きレポートの作成」で作成したレポートとサンプルの共有データセット「売上情報_年間」を使用します。共有データソース、共有データセットは管理者ダッシュボードで表示・編集が可能です。 共有データセットの追加についての詳細は、「チュートリアル7.1: 共有データセットの追加」を参照してください。

このチュートリアルを完了すると、次のようなレポートが作成されます。

HTML5 Webデザイナにアクセスしてデータセットを追加する

  1. ActiveReports Serverの利用者ポータルで、[新規レポート]をクリックします。HTML5 Webデザイナが新しいブラウザタブで開かれます。
  2. [テンプレートの選択]セクションに表示されているテンプレートのリストから、「01_空白のRDLレポート」を選択し、デザイナの下部にある[レポートの作成]をクリックします。新規レポートのページが開かれます。
    これで、Webデザイナでのレポートのデザインが可能になります。
  3. デザイナの右上にある[データ]タブをクリックします。
  4. [データセット]セクションの横にある[+ 追加]をクリックし、表示される使用可能な共有データソース、共有データセットのリストから、[共有データセット]セクションの「売上情報_年間」を選択します。
  5. [追加]をクリックします。売上情報_年間データセットがレポートに追加されます。

マスターレポートのレイアウトを作成する

マスターレポートを作成するには、Listデータ領域を使用します。Listデータ領域には、データを表示するためのTextBoxを数個と、詳細レポートを表示するためのSubreportコントロール1つを配置します。Listデータ領域は、含んでいるすべてのレポートコントロールにバインドされているデータをくり返し表示します。

  1. デザイナの左側にあるレポートコントロールのリストからListデータ領域をレポートのデザイン領域へとドラッグ&ドロップします。
  2. 2つのTextBoxコントロールをドラッグ&ドロップします。TextBox1はListデータ領域内に、TextBox2はListデータ領域よりも高い位置へとドラッグ&ドロップします。
  3. リスト上にSubreportコントロールをドラッグ&ドロップします。次の画像のように、各コントロールの位置を調整します。
        
    レポートに配置した各コントロールの階層が次のようになっていることを確認してください。階層は、デザイナの左上にある[エクスプローラ]をクリックすると表示することができます。

マスターレポートにパラメータを追加する

詳細レポートに渡されて、詳細部分を表示するパラメータを追加しましょう。

  1. デザイナの右上にある[データ]アイコンをクリックします。
  2. [パラメータ]の隣にある[追加]をクリックします。「レポートパラメータ1」という名前のパラメータが追加されます。
  3. [レポートパラメータ1]をクリックし、パラメータの各プロパティを編集します。ダイアログの表示文字列プロパティを変更して、分かりやすいテキストを設定することができます(例: 製品グループを選択します)。
    以上の設定の結果、次の画像のようになります。

  4. [使用できる値]セクションの[クエリから値を取得]タブへと移動し、各プロパティを次のように設定します。
    プロパティ名 プロパティの値
    データセットの名前 SalesInfoAnnual
    値フィールド 製品グループ
    ラベルフィールド 製品グループ

    以上の設定の結果、次の画像のようになります。

メモ: マスターレポートと詳細レポート(サブレポート)に追加する各パラメータの名前は同じである必要があります。

レポートコントロールにデータをバインドする

  1. TextBox1を選択し、次の式を入力します。=MonthName(Fields!月.Value)
  2. TextBox2を選択し、次の式を入力します。="製品グループの詳細: "&Parameters!レポートパラメータ1.Value
  3. Listデータ領域を選択し、データセットプロパティを「SalesInfoAnnual」に設定します。

サブレポートを構成する

チュートリアル3: パラメータ付きレポートの作成」で詳細レポートとして作成したレポートを埋め込み、詳細レポートデータにパラメータをフィルターとして渡しましょう。

  1. 詳細レポートをマスターレポートに埋め込むために、次の手順を行います。

  2. レポート上のSubreportコントロールを選択します。
  3. [プロパティ]タブで、レポートの名前プロパティの横にあるドロップダウンを開き、詳細レポートのレポート名「詳細レポート」を選択します。

    マスターレポートから詳細レポートへと渡されるパラメータ(レポートパラメータ1)をフィルタとして使用するために、パラメータプロパティを次のように設定します。

  4. [プロパティ]タブで、[データ]セクションのパラメータプロパティへと移動します。
  5. 横にある[項目の表示]をクリックし、[+ 項目の追加]を選択します。
  6. 開かれるボックスの横にあるをクリックし、[パラメータのプロパティ]ページを表示します。
  7. 名前プロパティをレポートパラメータ1に設定します。
  8. プロパティの横にあるドロップダウンを開き、[式]を選択して[式エディタ: 値]ダイアログを開きます。
  9. パラメータフィールドのレポートパラメータ1をダブルクリックします。次の式が入力されます。=Parameters!レポートパラメータ1.Value
  10. [保存]をクリックします。
    以上の設定の結果、次の画像のようになります。


    パラメータ(レポートパラメータ2)をフィルタとして使用して値を格納するために、次の手順を行います。

  11. [← パラメータのプロパティ]をクリックして[プロパティ]タブへと戻ります。[データ]セクションの[項目の表示]をクリックし、[項目の追加]を選択して、をクリックします。
  12. 名前プロパティに「レポートパラメータ2」と入力します。
  13. プロパティに次の式を入力します。=Fields!月.Value
    以上の設定の結果、次の画像のようになります。

  14. [← パラメータのプロパティ]をクリックして[プロパティ]タブへと戻ります。
    これで、Subreportコントロールのパラメータプロパティには、次の画像のように2つのパラメータの名前が表示されます。

レポートにタイトルを追加する

  1. デザイナの左側にあるレポートコントロールのリストから、TextBoxコントロールを先に配置したListデータ領域とTextBoxコントロールよりも高い位置にドラッグ&ドロップします。これはTextBox3になります。必要に応じてテーブルの位置を調整し、TextBox3を配置するスペースを作ります。
  2. TextBox3の内側をクリックし、「売り上げ情報レポート(マスター詳細レポート)」とテキストを入力します。

レポートのデータを管理する

各月の細目部分を表示するために、Listデータ領域内のデータを月フィールドにしたがってグループ化する必要があります。手順は次のとおりです。

  1. レポート上のListデータ領域を選択します。
  2. [プロパティ]タブの[グループ]セクションの[式]プロパティへと移動し、[項目の表示]につづいて[項目の追加]をクリックします。
  3. ボックスの横にあるラジオボタンをクリックしてフィールドのリストを表示し、フィールドを選択します。

マスターレポートの外観をカスタマイズする

メモ: 必要に応じて、レポートに配置する各コントロールのサイズや位置を調整してください。

  1. 選択した製品グループと月別売上の情報を格納したテキストボックスをカスタマイズするために、次の手順を行います。

  2. Ctrl+クリック操作でTextBox1とTextBox2を選択します。
  3. デザイナの上部にある基本的なプロパティのリストから中央揃えを選択します。
  4. デザイナの上部にある背景色プロパティの横にあるドロップダウンを開き、[WEB]タブから「Plum」を選択します。

    タイトルをカスタマイズするために、次の手順を行います。

  5. 「売り上げ情報レポート(マスター詳細レポート)」のテキストを格納したテキストボックス(TextBox3)を選択します。
  6. デザイナの上部にある基本的なプロパティのリストから中央揃えを選択します。
  7. デザイナの上部にある基本的なプロパティのリストから背景色プロパティのドロップダウンを開き、[WEB]タブから「Plum」を選択します。
  8. 太さプロパティをクリックし、太字に設定します。

マスターレポートを表示/保存する

メモ: 本チュートリアルのレポートを正しく表示するために、チュートリアル3で作成した詳細レポートの配置の調整が必要となる場合があります。
  1. デザイナの左上にある[プレビュー]をクリックしてレポートの最終結果を表示します。製品グループの選択を求められます。
  2. いずれかの製品グループを選択し、[レポートのプレビュー]を選択し、詳細レポートがフィルタリングされていることを確認します。
  3. プレビューモードを終了するには、デザイナの左上にある[戻る]をクリックします。
  4. デザイナの上部にある[ファイル]タブへと移動します。左側にある[名前を付けて保存]をクリックして、画面下部にある[新規レポート]の名前を任意のものに変更して[レポートの保存]をクリックします。レポートの説明やリビジョンコメントを追加することもできます。
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