マスターレポートから詳細部分を分ける必要がある場合は、2つのレポートを個別に作成し、Subreportコントロールを使用してマスターレポートに詳細レポートを埋め込むことができます。パラメータは、詳細をフィルタリングするために、マスターレポートから詳細レポートに渡されます。
注意:従来のFlashビューワを使用して作成されたセマンティックレポートは、Webデザイナのサブレポートとして使用することができません。
このチュートリアルのねらい
このチュートリアルでは、Webデザイナでサブレポートを使用してマスター−詳細レポートを作成する手順を紹介します。
メモ: このチュートリアルでは、「SalesForRegionAndDistrict」データセットを使用します。
このチュートリアルを完了すると、次のようなレポートが作成されます。
Webデザイナにアクセスする
[ユーザーフォルダ]\WebSamples\WebDesigner_MVCに格納されたWebDesigner_MVCサンプルを実行します。
Webデザイナがブラウザで開かれ、レポートのデザインが可能になります。
以下の説明では、デザイナのプロパティモードにて、[詳細プロパティを表示]を選択した状態の画面イメージにて、説明します。
マスターレポートのレイアウトを作成する
マスターレポートを作成するには、Listデータ領域を使用します。Listデータ領域には、データを表示するためのTextBoxを数個と、詳細レポートを表示するためのSubreportコントロール1つを配置します。Listデータ領域は、含んでいるすべてのレポートコントロールにバインドされているデータを繰り返し表示します。
- レポートコントロール一覧からListデータ領域をデザイナ面にドラッグ&ドロップし、リストを配置します。
- 2つのTextBoxコントロールをドラッグ&ドロップします。1つはリスト上に、1つはリストよりも高い位置に配置します。
- リスト上にSubreportコントロールをドラッグ&ドロップします。次の画像のように、各コントロールの位置を調整します。
デザイナ面に配置した各コントロールの階層が次のようになっていることを確認してください。階層は、デザイナの左上にある[エクスプローラ]をクリックすると表示することができます。
マスターレポートにパラメータを追加する
詳細レポートに渡されて、詳細部分を表示するパラメータを追加しましょう。
- [データ]タブをクリックします。
- [パラメータ]の隣にある[+ 追加]をクリックします。「レポートパラメータ1」というパラメータが追加されます。
- [レポートパラメータ1]をクリックし、パラメータの各プロパティを編集します。[ダイアログの表示文字列]プロパティを変更して、分かりやすいテキストを設定することができます(例: 地域を選択します)。
以上の設定の結果、次の画像のようになります。
- [使用できる値]セクションの[クエリから値を取得]タブをクリックし、各プロパティを次のように設定します。
プロパティ名 |
プロパティの値 |
データセットの名前 |
SalesForRegionAndDistrict |
値フィールド |
Region |
ラベルフィールド |
Region |
以上の設定の結果、次の画像のようになります。
メモ: マスターレポートとサブレポートに追加する各パラメータの名前は同じである必要があります。
レポートコントロールにデータをバインドする
- リスト上のテキストボックスを選択し、[プロパティ]タブの[共通]セクションの[式]プロパティに「="Store ID: "& [StoreID]」の式を入力します。
- リストより高い位置のテキストボックスを選択し、[共通]セクションの[式]プロパティに「="地域の詳細: "&Parameters!Parameter1.Value」の式を入力します。
- リストを選択し、[データ]セクションの[データセット]プロパティを「SalesForRegionAndDistrict」に設定します。
「チュートリアル3: パラメータ付きレポートの作成」で詳細レポートとして作成したレポートを埋め込み、詳細レポートデータにパラメータをフィルターとして渡しましょう。
-
詳細レポートをマスターレポートに埋め込むために、次の手順を行います。
- デザイナ面上のSubreportコントロールを選択します。
-
[プロパティ]タブで、[レポートの名前]プロパティに、隣にあるドロップダウンから詳細レポートのレポート名を選択するか、または詳細レポートのレポート名を直接入力します。
マスターレポートから詳細レポートに渡されるパラメータ(Parameter1)をフィルタとして使用するために、[Report Parameters]プロパティを次のように設定します。
- [共通]セクションの[Report Parameters]プロパティを表示します。
- 隣にある[項目の表示]をクリックし、[+ 項目の追加]を選択します。
-
[Parameter1]の隣にある[VALUE]プロパティに「=Parameters!Parameter1.Value」の式を入力します。
パラメータ(Parameter2)をフィルタとして使用するために、次の手順を行います。
- 再度、[+ 項目の追加]を選択し、[Parameter2]を追加します。
- [Parameter2]の隣にある[VALUE]プロパティに「=Fields!StoreID.Value」の式を入力します。
これで、Subreportコントロールの[Report Parameters]プロパティには、次の画像のように2つのパラメータの名前が表示されます。
レポートにタイトルを追加する
- レポートコントロールの一覧から、TextBoxコントロールを選択し、先に配置したリストとテキストボックスよりも高い位置にドラッグ&ドロップします。これはタイトルになります。必要に応じてテーブルの位置を調整し、タイトルを配置するスペースを作ります。
- タイトルの内側をクリックし、「顧客注文レポート(マスター詳細レポート)」とテキストを入力します。
マスターレポートの外観をカスタマイズする
メモ: 必要に応じて、レポートに配置する各コントロールのサイズや位置を調整してください。
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StoreIDと地域の詳細を格納したテキストボックスの外観をカスタマイズするために、次の手順を行います。
- Ctrl+クリック操作でリスト上のテキストボックスとリストより高い位置のテキストボックスを選択し、[プロパティ]タブを表示します。
- [背景]セクションの[背景色]プロパティの隣にあるドロップダウンを開き、[その他の色]を選択して、[WEBカラー]から「Plum」を選択します。
- [テキスト]セクションの[水平方向の整列]プロパティを「Center」に設定します。
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タイトルの外観をカスタマイズするために、次の手順を行います。
- タイトルを選択します。
- [背景]セクションの[背景色]プロパティの隣にあるドロップダウンを開き、[その他の色]を選択して、[WEBカラー]から「Plum」を選択します。
- [テキスト]セクションの[太さ]プロパティを「Bold」に設定します。
- [テキスト]セクションの[水平方向の整列]プロパティを「Center」に設定します。
マスターレポートを表示/保存する
メモ: 本チュートリアルのレポートを正しく表示するために、チュートリアル3で作成したレポートの配置の調整が必要となる場合があります。
- [プレビュー]をクリックしてレポートの最終結果を表示します。地域(Region)とParameter2(StoreID)を選択するように求められますので、それぞれドロップダウンから値を選択し、[レポートのプレビュー]をクリックします。
- プレビューモードを終了するには、デザイナの左上にある[戻る]をクリックします。
- [名前を付けて保存]をクリックして、レポートの名前を任意のものに変更し、[レポートの保存]をクリックします。
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