ここでは、プロジェクトをInputMan for .NET 1.0J Web Forms EditionからInputMan for ASP.NET 10.0Jへ移行する際、移行ツール実行後に必要な作業について説明します。
以下のケースでは移行後に手動でコードを修正する必要があります。
AllowSelectionとSelectedDateプロパティ
カレンダーコントロールのAllowSelectionプロパティとSelectedDateプロパティがデザイン時に設定されている場合、1.0.2006.0113以前のバージョンでは、不具合によってAllowSelectionプロパティで選択を制限された日付を選択することができていました。この不具合は、v1.0.2006.0323以降のバージョンで修正されているため、AllowSelectionプロパティによって制限されている日付をSelectedDateプロパティによって選択しているとデザイン時に例外が発生します。
これらのプロパティの設定によって例外が発生する場合は、次の例のようにコードを修正します。
なお、以下の例では2009年3月20日は休日と仮定しています。
修正前のコード:
<im_calendar:Calendar id="Calendar1" runat="server" AllowSelection="Holiday">
<HelpValues SelectedDate="2009/03/20 00:00:00" CultureName='ja-JP'></HelpValues>
</im_calendar:Calendar>
修正方法1: SelectedDateプロパティを変更
<im_calendar:GcCalendar id="Calendar1" runat="server" AllowSelection="Holiday">
<HelpValues SelectedDate="2009/03/19 00:00:00" CultureName='ja-JP'> </HelpValues>
</im_calendar:GcCalendar>
修正方法2: AllowSelectionプロパティを変更
<im_calendar:GcCalendar id="Calendar1" runat="server" AllowSelection="Anyday">
<HelpValues SelectedDate="2009/03/20 00:00:00" CultureName='ja-JP'></HelpValues>
</im_calendar:GcCalendar>
CellSpacingプロパティ
カレンダーコントロールおよび日付コントロールのドロップダウンカレンダーのCellSpacingプロパティは、
HCellSpacingおよび
VCellSpacingプロパティに変更されました。そのため、CellSpacingプロパティを設定している場合は、手作業でコードを修正してください。
AllowSpaceプロパティ
テキストコントロールのAllowSpaceプロパティは、
Formatプロパティのキーワード"S(半角)"または"S(全角)"を使用して制御するよう変更されました。AllowSpaceプロパティを設定している場合は、Formatプロパティを使用してください。書式設定の詳細は「テキストコントロール -
書式の設定」を参照してください。
PasswordModeプロパティ
テキストコントロールのPasswordModeプロパティは、
PasswordCharおよび
UseSystemPasswordCharプロパティに変更されました。PasswordModeプロパティを使用してコントロールの値をパスワード文字で表示していた場合は、PasswordCharあるいはUseSystemPasswordCharプロパティを使用してください。
DisplayFormatプロパティ
数値コントロールのDisplayFormatプロパティは、GrapeCity.Web.Input.IMNumber.NumberFormat型からGrapeCity.Web.Input.IMNumber.NumberDisplayFormat型に変更されました。NumberDisplayFormat.Digitのように置き換える必要があります。
以下に示すクラス(列挙体)は、名前空間が変更されましたが、移行ツールが名前空間の変更を正しく検出しない場合は、手動にてコードを変更してください。
(※)のクラスは10.0Jでは
非推奨メンバとなります。
3.0J以降で、多くの新機能が追加され、仕様変更が行われています。この仕様変更により不要となるメンバは、非推奨(Obsolete)メンバとして互換性のために残されています。1.0Jから移行したプロジェクトでこれら非推奨メンバが使用されていても、エラーは発生せずに1.0Jと同様に動作します。非推奨メンバに対応する新機能については「
非推奨メンバ」を参照してください。
バージョンアップに伴う新機能の追加やコントロールの内部構成の最適化により、実行時の描画スタイルやサイズが異なる箇所があります。 そのため、移行ツールで移行後に必要に応じて値を設定する必要があります。 変更された箇所の詳細については「
旧バージョンからの変更点」を参照してください。