.NET製品のSPREADは.NET Frameworkの技術をベースとして新規に作成された(.NET専用のマネージコードによって開発された)新しいコンポーネントです。言い換えると、.NET製品は「ActiveX製品の機能を最大限に継承した.NET開発専用の製品」ということになります。そのためActiveX製品(SPREAD 2.5J〜7.0J)との間に互換性はなく、移行ツールも提供しておりません。 ActiveX製品で開発されたソフトウェアを .NET テクノロジーに移行するためには、 .NETアプリケーションの開発手順に従い新規アプリケーションとして開発し直す必要があります。
.NET製品を用いてアプリケーションを作成する場合は注意が必要です。技術的な相違点は後述しますが、代表的なものとしてはActionプロパティがあげられます。 ActiveX製品であるSPREAD 2.5J/3.0Jにて提供されていたActionプロパティ機能は、SPREAD 6.0J以降すべて「メソッド」に変更されています。 .NET製品では基本的にSPREAD 7.0Jの機能を最大限継承していますので、当プロパティを使った処理は全て変更する必要があります。また、開発環境も .NET Framework となるため一部機能に相違があります。たとえば、アクティブセルを設定するアクション「SS_ACTION_ACTIVE_CELL」 は 「SetActiveCell」 という「メソッド」で記述します。
このように、ソースコードについては.NET Frameworkの仕様やコーディング規約、および.NET製品の仕様に基づいた書き直しが不可欠ですが、ActiveX製品で作成されたデザイン定義ファイル(SPREAD7.0Jの場合は*.SS7ファイル)は.NET製品で基本的には読み込むことが可能です(設定内容によっては互換性が無いために読込できない場合もあります)。このため旧プロジェクトから.NETへの移行の際には本定義ファイルをデザイナで読み込むことで、 SPREADの設計作業を大幅に簡略化することができます。(微調整が必要となる場合もあります)
また、ActiveX製品で使われていたプロパティやメソッド名のほとんどは.NET製品でも同名または類似した機能名で提供していますので、同一の機能は簡単に見つけることができます。たとえば、セルの背景色を設定するプロパティ名は両製品ともに「BackColor」です。なお、両製品のプロパティ・メソッド・イベント対応表については こちら をご覧ください。
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