GrapeCity ActiveReports for .NET 12.0J > ActiveReportsユーザーガイド > 概念 > レポートの種類 > ページレポート |
ページレポートは、ページ単位でレポートをデザインするレポート形式です。そのため、デザイン時のレイアウトは実行時の出力結果と同一になります。RDLレポートとは異なり、デザイナ上に配置したレポートコントロールは実行時に同じレイアウトで出力されるため、実際の出力結果と同じイメージでレポートをデザインすることができます。ページ上にデータを並べて表示するには、TableコントロールやTablixコントロールなどを使用します。また、ページレポートでは、含んでいる内容に合わせてコントロールが拡大・縮小することはないので、余分なデータを処理するにはOverflowPlaceHolderコントロールを使用する必要があります。
レコードのグループ化
デフォルトでは、すべてのレコードが1グループとして扱われます。特定のデータでグループ化する方法には、データ領域コントロールで設定する方法とページレベルで設定する方法の2種類があります。ページレベルでグループ化を設定することで、1レコード = 1ページの形にすることも可能です。この形式は、源泉徴収票のような固定レイアウトの帳票に最適です。詳細については、「ページでのグループ化(ページレポートのみ))」を参照してください。
データ領域に収まりきらないデータの表示
データのレコード件数がコントロールのデータ領域よりも多い場合の表示動作は、いくつかの形式から選択できます。たとえば、10行のテーブルコントロールに対して15行分のデータが設定された場合を例として、以下に説明します。
複数のレイアウト
ページレポートには、1ページだけをデザインしてそのページを繰り返し表示する方法と、複数のページをデザインし、それらのページを繰り返し表示する方法があります。たとえば、請求書の概要ページと明細ページで異なるレイアウトを持つレポートを作成したい場合に、後者の方法を適用することができます。詳細については、「複数のページでデータのオーバフロー」を参照してください。
既存のページの間には新規ページを追加することが可能で、ページタブをドラッグすることで順番を再調整することができます。複数のページの場合、丁合いの設定もカスタマイズ可能です。詳細については、「丁合いの設定」、「レポートで丁合いの設定」を参照してください。
ページレポートのファイル
ページレポートのファイルはRDLXファイルのみです。セクションレポート(コード)のように、レポート内にVisual Basic、またはC#のコード処理を実装することはできませんが、レポートのスクリプトビューでVB.NETスクリプトの処理を追加することができます。詳細については、「スクリプトの使用」を参照してください。
注意: ページレポートのデータ領域を別のデータ領域とネストすることはできません。ネストされたレポートを実行した場合、例外が発生して正しくレポートを表示できない場合があります。 |
テーマ
ページレポートとRDLレポートは、テーマを使用して標準の書式設定を一連のレポートコントロールに適用します。テーマを使用すれば、マスターレポートを使用するのと同様に、レポート全体の外観を1か所で変更することができます。テキストと背景の色、ハイパーリンクの色、メジャーフォントとマイナーフォント、画像、定数などを指定してから、レポートコントロールのプロパティにテーマの値を設定します。外観を変更したいときは、*.rdlx-themeファイルに変更を加えるだけで、各レポートの実行時に変更後の外観が適用されます。詳細については、「テーマの作成と追加」を参照してください。
データ
ページレポートは、異なるデータセットから取得したデータを表示する場合や、データがページのどこに表示されてもかまわないような場合に最適です。レポートへのデータの表示にはデータ領域を使用します。コントロールは、データが最後まで収まるように拡大した後、レポートが自動的に改ページされます。詳細については、「データソースとデータセット」を参照してください。
共有データソース
ページレポート/RDLレポートでは、共有データソースを作成して使用することができるので、レポートを作成するたびに同じ接続文字列を入力する必要はありません。詳細については、「共有データソース(RDSX)」を参照してください。
カスタムリソースロケータ
レポートで使用するアイテムのカスタムリソースロケータを作成することができます。これにより、レポートで使用する画像の存在する場所を特定できます。サブレポートやドリルスルーリンクで使用するレポートの場所を特定することも可能です。詳細については、「カスタムリソースロケータ」を参照してください。
データ領域とレポートコントロール
ページレポート/RDLレポートには、セクションレポートとは異なる形でデータを表示することのできるコントロールがあります。ダッシュボードレポートでSparkline、およびBulletのレポートコントロールを使用することができるほか、Calendarレポートコントロールや、List、Table、Tablixなどのデータ領域にデータを表示することも可能です。多くのプロパティで、式を使用して表示する値や表示方法を決定することができます。レポートコントロールの詳細については、「ページレポート/RDLレポートのレポートコントロール」を参照してください。
データ可視化
Image、およびTextBoxレポートコントロールにはデータの可視化機能があり、これを使用すると、データを理解しやすい小さなグラフで表示することができます。これは、データを視覚的にわかりやすく表示する優れたツールです。詳細については、「データ可視化」を参照してください。
グループ化
フィールド、または式によってデータ領域内のデータをグループ化し、集計の範囲を制御することができます。親子関係を持つデータの再帰的階層を作成することも可能です。また、Level関数を使用してレベルごとにインデントを付けることで、これらの関係を視覚的に示すこともできます。詳細については、「データのグループ化」を参照してください。
インタラクティブ性
ページレポート/RDLレポートでは、対話的な並べ替えやドリルダウンレポート(初期状態では詳細データを折りたたんで隠し、他のアイテムによって表示・非表示を切り替えることができるレポート)をセットアップしたり、他のレポートへのドリルスルーリンクやレポート内のブックマークリンクを追加したりすることができます。
対話的な並べ替え
TextBoxレポートコントロールの[プロパティ設定ダイアログ]の[並べ替え]ページを使用して、List、BandedList、Table、Tablixの各データ領域のデータをユーザーが並べ替えられるようにすることができます。詳細については、「対話的な並べ替え」を参照してください。
パラメータ
パラメータをレポートに追加することで、レポートに表示する値をユーザーが選べるようになります。これはドリルスルーレポートを作成する際にも役立ちます。詳細については、「パラメータの追加」を参照してください。
ドリルダウン
レポートコントロール、データ領域、テーブルの行、Tablixの行/列グループの[プロパティ]ウィンドウに用意されているVisiblityのToggleItemプロパティを使用して、ドリルダウンレポートを作成することができます。これらの設定で、各項目の初期の表示状態を非表示に設定し、トグルアイテム(ユーザーがこれをクリックすると、データを詳細にドリルダウンさせることができる)を設定することで、より詳細なデータの表示が可能になります。詳細については「ドリルダウンレポートの作成」を参照してください。
ドリルスルー
テキストボックス、画像、グラフデータ値に用意された[プロパティ設定ダイアログ]の[ナビゲーション]ページを使用して、ドリルスルーリンクを作成することができます。ユーザーがこのリンクをクリックすると、より詳細なパラメータ付きレポートが表示されます。パラメータのないレポートへのドリルスルーリンクを作成することもできますが、その場合はユーザーが長大な詳細レポートから関連情報を検索しなければならない可能性があります。
ブックマークリンク
[プロパティ設定ダイアログ]の[ナビゲーション]ページを使用して、ブックマーク、またはURLへジャンプすることもできます。